寒い冬にはジビエ料理、神楽坂散策からニコ・チェルシー、神楽坂 | ワインは素敵な恋の道しるべ

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白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

2月のこと、彼女からジビエをガッツリ食べたいとのリクエスト。

そこで予約したのは、神楽坂の『ニコ・チェルシー』。

ここは八丁堀に店があった時から度々訪れているジビエ・フレンチのお店。

 

彼女から当日になって、「30分ほど早く着くので神楽坂を散策したい」とメッセージ。

急いで家を出ると、飯田橋で彼女と落ち合い、神楽坂通りを上る。

 

まず向かったのは善國寺、通称毘沙門天。

 

「善國寺なのに何故毘沙門天と呼ばれているの」と彼女。

「ここは七福神の毘沙門天を祀っているからだよ」と私。

新宿山ノ手七福神の一つで、太宗寺が布袋尊、稲荷鬼王神社が恵比寿神、永福寺が福禄寿、厳嶋神社が弁財天、法善寺が寿老人、経王寺が大黒天、そして善國寺が毘沙門天。

 

そしてもう一つの特徴は、珍しい石虎。

こちらが吽形。

 

こちらが阿形だが、両方を見比べても口の開き方に大差はない。

 

石虎の説明板も掲げられている。

 

善國寺を出ると、神楽坂通りを挟んだ向かい側にある一人がやっと通れる狭い路地に歩を進める。

ここは知らないと気が付かずに通り過ぎてしまうほどの狭さ。

 

路地を抜けた先は、兵庫横丁。

兵庫と言っても兵庫県とは関係なく、戦国時代の牛込城の武器庫(兵庫)がここにあったことが由来。

 

ここはイタリアンの『アルボール』。

「ここでも食事をしたね」などと話しながら歩く。

 

次に向かったのは、本多横丁。

江戸時代、旗本の本多家の屋敷があった場所。

この通りにはリヨン料理のレストラン、『ルグドゥノム・ブション・リヨネ』がある。

中を覗くとオーナーシェフのクリストフ・ポコさんが開店前の打ち合わせ中だった。

コロナ前にブルゴーニュに旅した時、ディジョンのホテルでポコさんが出演するお店の紹介番組を見た。

そこで急いで番組の写真を撮ってポコさんにメールすると、とても喜んでくれたことを思い出す。

 

本多通りから芸者新道に入る。

ここは神楽坂の芸者さんが移動に使っていた抜け道で、本多通りと神楽坂仲通りを結んでいる。

 

ここには神楽坂芸者の英子(ひでこ)さんが経営するバー、『英(えい)』がある。

 

更に先に進むと、ブルターニュ出身のラーシェ・ベルトランさんが経営するブルターニュ料理のお店、『ル・ブルターニュ カグラザカ』。

「ここでも食事をしたわね。また来たいな」と彼女。

 

神楽坂仲通りを経由して、かくれんぼ横丁に入る。

路地が”互”の形になっていて迷路のようなので、この名で呼ばれている。

ここにも知っている店が幾つか。

黒塀の『かみくら』の前では、「ここは和室で食べるフレンチだったわね。また来ましょうよ」と彼女。

かくれんぼ横丁を抜けると、今夜のディナーの店に向かう。

 

予約しているジビエ・フレンチのお店、『ニコ・チェルシー』に開店時間丁度に到着。

 

外から見る限りでは普通の民家なので、この立て看板が無いとここがレストランだとはわからない。

 

表札にもカタカナで店名が書かれているが、この文字は誰が彫ったのだろう。

 

ここはフランスワインの品揃えが良く、日本ワインも多く置かれている。

紅の豚のエチケットは日本ワインではなく、ブルゴーニュのルー・デュモン(仲田晃司さん)がラングドック・ルーションで造る、スタジオジブリとのコラボワイン。

 

L字型カウンターの短辺側の何時もの席に座る。

ここが一番居心地が良い席なのだ。

一階の奥には個室があり、二階はテーブル席。

 

納戸セラーの中をチェック。

美味しそうなワインが並ぶが、やはり価格はかなり上がっている。

ワインの持ち込みも可なので、二回に一回は持ち込んで飲んでいる。

 

彼女が、「ボトルだと二種類しか飲めないのでグラスで色々飲みたい」とのこと。

今日のグラスワインも美味しそうだ。

 

先ずはフランスのスパークリングワイン。

 

プロヴァンスのレ・ヴァン・ブルバンが造る、バロン・ド・ブルバン、ブリュット、ブラン・ド・ブラン。

シトラスの爽やかな香りを持つ、フレッシュ&フルーティーなブリュット。

セパージュは、ユニ・ブラン80%、シャルドネ10%、コロンバール10%。

彼女と過ごす、神楽坂の楽しい夜は続きます。