2月のある休日、ちぃさんと築地で待ち合わせ。
築地の空は晴れ渡り、2月とは思えない暖かさ。
向かったのは、路地裏にある日本家屋。
何処にも看板が出ていないので、ここが鉄板焼きの名店だとは知っていないと通り過ぎてしまう。
ここが『鉄板焼 KUROSAWA』だと示しているのは、この表札。
一階には二つの大きな鉄板を囲むカウンター席。
二階には4~5人用の個室が二つと、サロンがある。
人気のお店で、今日も満席の予約。
近くに座った女性二人客の内のお一人の声が大きいので、話の内容が全て耳に飛び込んでくる。
「ここは何度電話しても何時も満席なのよ。今回はようやく予約が取れて久し振りに来られて良かったわ」とのこと。
私たちの席は、右側の鉄板の真ん前。
前回だけ奥の席だったが、それ以外は何時もこの席。
今日は”明コース”を予約している。
まさに”黒澤明監督”の名前を冠したコース料理。
まずは生ビールで乾杯。
プレモルのきめ細かな泡が美しい。
前菜は、コールドビーフと春野菜の生春巻き、スイートチリソース。
緑の野菜の真ん中に入っているのがコールドビーフ。
このビーフが美味しく、べジファーストが嬉しい。
赤ワインを早めに抜栓してもらう。
選んだワインは、ジョエル・ゴット、ジンファンデル、カリフォルニア、2022年。
ジョエル・ゴットは、ナパを始めカリフォルニアで数店舗の人気レストランを経営すると共に、このワイナリーを運営。
ナパにある彼のレストラン、『Taylor’s Refresher』は何時も行列の店で、私も食事をしたことがある。
ワインメーカーは著名な醸造家のサラ・ゴットで、ジョエル・ゴットの奥様。
ラズベリー、ブルーベリーの豊かな果実味。
カカオ、ストロベリーのコンフィチュールのニュアンスに、スパイスのヒント。
樽由来のバニラ香も心地よい。
セパージュは、ジンファンデル90%、プティシラー、シラー、アリカンテが合わせて10%。
熟成はアメリカンオークの樽(新樽比率25%)で8ヶ月、アルコール度数は14.4%と高い。
生ビールと赤ワインを並行して飲みながら、前菜を楽しむ。
市場より本日の魚介のソテー、季節の彩り野菜ソテー。
今日の魚は、ソイ。
私たちの鉄板焼きを調理してくれるのは、河合さん。
今までは埜瀬料理長が担当してくれることが多かったが、今日は二階の個室で腕を振るわれている。
紅芯大根、ミニトマト、プチケール、そしてソイが焼かれる。
ソイの皮は剥がされ、ヘラで押さえて皮煎餅に。
続いてほうれん草が豪快にソテーされる。
二枚のヘラだけで綺麗な魚料理が完成。
ほうれん草の上にソイのソテー、更にその上に皮煎餅。
ソイに掛けられた緑のソースは、ニンニクとパセリのバターソースにレモン果汁を加えたのも。
茶色いソースは、鉄板の上に少し残した緑のソースに醬油を加えたもの。
二種のソースの香りが素晴らしい。
ちぃさんと過ごす、築地の楽しい午後は続きます。