お正月は壽初春大歌舞伎、歌舞伎座、東銀座 3 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

1月のこと、東銀座でちぃさんと過ごす楽しい午後の続き。

『スペインクラブ銀座』でランチを食べワインをたっぷり飲んだあとは、歌舞伎座に向かう。

 

今日は”壽初春大歌舞伎”の夜の部の鑑賞。

 

歌舞伎座内に歩を進めると、エントランスには初春の華やかな飾りつけ。

 

開場後すぐに入場し、観客がまだ少ないうちに館内を撮影。

 

毎年お正月には”壽初春大歌舞伎”を観に来ているが、今年の出演者も華やかな顔ぶれ。

 

最初の演目は「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」から、「熊谷陣屋」。

 

左は相模(熊谷直実の妻):中村萬壽

中央は熊谷直実:尾上松緑

右は藤の方(平敦盛の母):中村雀右衛門

尾上松緑にとって熊谷直実役は初演。

(写真はイープラスからお借りしました。以下同様。)

 

右側の武将は源義経:中村芝翫

平敦盛を助けるため、自らの子、小次郎の首を敦盛として差し出した直実は、この後に出家するするという切なく悲しい物語。

 

ここで35分間の休憩。

今回もちぃさんが色々なおつまみを持ってきてくれた。

チキン南蛮とベーコンペッパーマカロニサラダはどちらも冷たいまま食べて美味しいお惣菜。

他には、ミックスナッツ、チーズ鱈、チョコレート。

 

私が持参したのは日本酒。

何時もはスパークリングワインなのだが、今回はちょっと趣向を変えてみた。

 

高知県香南市の高木酒造が醸す、豊能梅 純米吟醸 おりがらみ 生酒。

毎年この時期に購入するお気に入りの酒だ。

 

フレッシュ&フルーティーな米の旨味を持ち、それでいて切れの良い辛口。

うすにごりで軽いガス感が心地よい。

使用米は愛媛県産松山三井、精米歩合は50%。

 

ちぃさんと乾杯。

香りを楽しむためもっと大きく丸みのあるグラスにしたかったが、場所をとるので狭い客席では扱い難い。

そこで、スパークリング用のグラスを持参。

 

四枚の緞帳が次々とお目見えしたあとは、第二の演目が始まる。

 

好きな二人の役者による幻想的な踊りに期待が膨らむ。

 

左は松山太夫:中村壱太郎

右は椀屋久兵衛:尾上右近

 

切なくも儚い二人の妖艶な舞に魅了される。

 

今回注目していたのは、新作歌舞伎の「大富豪同心」。

原作は、幡大介の時代小説「大富豪同心」。

 

中村隼人が卯之吉と幸千代の一人二役をこなし、早変わりも見どころのひとつ。

 

右は幸千代:中村隼人

左は清少将:坂東巳之助

清少将は幸千代の将軍跡目相続を妨害するため、暗殺を企てる。

 

右は美鈴:中村壱太郎

先ほど妖艶な舞を披露した壱太郎が、幸千代を護衛する武芸の達人の女剣士を演じる。

写真は無いが、右近は卯之吉に付き従う幇間として出演し、椀久とは打って変わって軽妙な芝居で観客を沸かせる。

 

真ん中は卯之吉:中村隼人

将軍家政の弟で、真面目で剣の達人の幸千代と、遊び人で軟な卯之吉を次々と変わりながら演じる隼人にも注目。

フィナーレでは出演者全員が舞台に登場するカーテンコール。

万雷の拍手と共に幕が引かれる。

 

素晴らしい公演に感激して帰途に就く。

 

歌舞伎座前の人々からも、観劇の興奮が伝わってくる。

ちぃさんと今年も”壽初春大歌舞伎”を楽しんだ、東銀座の素敵な夜でした。