昨年9月のこと、ちぃさんと丸の内のフレンチ、『ブルディガラ丸の内 ザ・レストラン』で開催された、”イル・ボッロ スペシャル・ディナー会”に参加した素敵な夜の続き。
イル・ボッロはフェラガモが運営する高級リゾート兼ワイナリー。
今夜はその当主、サルヴァトーレ・フェラガモ氏を迎えてのディナー会。
六種類目のワインが届く。
アレッサンドロ・ダル・ボッロ、シラー、マグナム、2015年。
フラッグシップ・ワインはイル・ボッロだと思っていたが、その上にとても高価なワインがあることを初めて知った。
このエチケットの人物がアレッサンドロ。
15世紀のメディチ家の軍人でトルコとの戦いで活躍し、褒美にイル・ボッロの村を与えられた人物。
良いぶどうが収穫された年にマグナムのみ生産される特別なワイン。
生産量は1,500~3,000本のみで、2015年は2,792本がボトリングされている。
ぶどう栽培はビオディナミで、このボトルにもEUのオーガニック認証マークのユーロリーフが付いている。
少し紫を帯びた濃いガーネット。
プラムやカシスの香り。
濃厚な果実の凝縮感、強くまろやかなタンニン、スパイスや黒い土のニュアンス。
リッチでヴォリューム感のある素晴らしい出来栄えのシラーだ。
古樹のシラーを使い、熟成は大樽で18ヶ月以上、アルコール度数は14.5%と高い。
今夜飲んだ六種類のワインのタグを並べてみる。
アレッサンドロ・ダル・ボッロについて説明するサルヴァトーレの横でワインを持って立つ根井シェフの姿が微笑ましい。
セコンドピアットが届く。
黒毛和牛、八丁味噌、牛蒡。
鹿児島県産黒毛和牛のグリル。
八丁味噌と牛蒡と棗のソース、プロシュートとマッシュルームとカプチーノのエスプーマ、栗のピュレ。
肉の上には、茗荷のマリネとセルバチコ。
セルバチコはルッコラの一種で辛みが強い。
黒毛和牛とアレッサンドロ・ダル・ボッロの組み合わせが最高に美味い。
ドルチェは、佐渡黒無花果”ビオレ・ソリエス”。
無花果とバニラアイスクリームの組み合わせが美味い。
ビオレ・ソリエスと葉っぱのチュイルが同じ形で可愛くシンクロしている。
ビオレ・ソリエスはフランス原産の黒い無花果で、栽培が難しく収穫量が少ないことから”黒いダイヤ”と呼ばれている。
(写真は「みな佐渡」からお借りしました。)
〆は熱いコーヒー。
イル・ボッロの各ワインと根井シェフの料理のマリアージュが素晴らしく、楽しいディナー会だった。
サルヴァトーレによる、〆の挨拶。
ワインへの愛情、情熱を感じることができる素晴らしいスピーチだ。
根井シェフによる〆の挨拶。
フレンチのシェフがイタリアワインに合わせて料理を組み立てた苦労が垣間見える楽しいお話し。
お二人に見送られ、席を立つ。
まずはサルヴァトーレと今夜のワインについていろいろと話しを交わす。
イル・ボッロに招待されたので、イタリア訪問を考えなければだが、そのためには円高になってもらいたい。
根井シェフとも話しを交わす。
ここには何度も来ているが、シェフは厨房から出てこられないのでお会いするのは初めて。
今夜飲んだ6種類のワインに別れを告げる。
コロナ前はいろいろなワインメーカーズ・ディナーに参加し、多くの造り手と話す機会を楽しんでいたが、コロナによりそんな会はほとんど無くなっていた。
久し振りにワインメーカーズ・ディナーの楽しさを味わった、丸の内の素敵な夜でした。