昨年9月のこと、ちぃさんと丸の内のフレンチ、『ブルディガラ丸の内 ザ・レストラン』で開催された、”イル・ボッロ スペシャル・ディナー会”に参加した素敵な夜の続き。
イル・ボッロはフェラガモが運営する高級リゾート兼ワイナリー。
今夜はその当主、サルヴァトーレ・フェラガモ氏を迎えてのディナー会。
四種類目のワインは、イル・ボッロ、ボッリジアーノ、2020年。
私のセラーにも1本入っているワインだ。
ニューヨーカーやパリジャンと言うのと同じく、ボッリジアーノとはイル・ボッロの人という意味。
ぶどう栽培はビオディナミで、このボトルにもEUのオーガニック認証マークのユーロリーフが付いている。
セパージュは、サンジョヴェーゼ70%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%。
ワインを透過した光がタグを赤く染め美しい。
ラズベリー、ダークチェリーなどの赤系果実の香りにスパイスのヒントが混じる。
凝縮感のある果実味は重過ぎず、柔らかなタンニンと相俟って洗練されたボディを形成している。
合わせる第二のアントレは、三河鰻、茄子、五穀米、トリュフ。
皿が届くと、トリュフの香りがふわりとテーブル上に漂う。
鰻はマデイラ酒で煮た後に燻製をかけ、更に焼いて焦げ目を付けている。
鰻の横には骨せんべいも。
鰻の下には茄子、その下には五穀米のリゾット。
マデイラソースが鰻によく合う。
サルヴァトーレ曰く、サンジョヴェーゼは黒トリュフとの相性が良いので、この料理を合わせてくれた根井シェフに感謝とのこと。
五種類目のワインはワイナリーの名を冠した、イル・ボッロ、2019年。
このワインも私のセラーに1本入っている。
2019年は、まさにグレート・イヤー。
2019VTは『ガンベロロッソ2024』で最高賞トレビッキエリ、『ビベンダ2024』最高賞5グラッポリ、『ヴェロネッリ2024』で最高賞トレステッレ オーロ(3星)、『ドクターワイン2024』で97点、『ジェームズサックリング』で96点を獲得している。
ぶどう栽培はビオディナミで、このボトルにもEUのオーガニック認証マークのユーロリーフが付いている。
少し紫を帯びた濃厚なガーネット。
熟したプラムやカシスの香り。
強いがまろやかな果実味、優美なタンニン。
力強く洗練されたワインだ。
セパージュは、メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン35%、シラー15%。
イル・ボッロもタグの上に美しい光の像を結んでいる。
根井シェフが、次の料理の説明をしてくれる。
手に持たれているのは、パスタのキタッラを造る道具。
ここはフレンチなのだが、今夜はイル・ボッロに合わせて、アントレの次はポワソンではなく、プリモピアットとなっている。
シェフによると、今夜は赤ワインが三本続くので料理の組み立てに苦労されたとのこと。
楽器のようにも見えるが、この糸にパスタ生地を押し付け、四角い断面のキタッラを作るのだそうだ。
仔鳩、長野パープル、キタッラ。
フランス産の仔鳩の全ての部位が使われている。
長野パープルは長野県で栽培されているぶどう品種。
キタッラの上には胸肉のロースト。
四角いキタッラはもちもち、仔鳩の色々な部位の肉がたっぷり入っていて頗る美味。
プリモピアットとイル・ボッロの組み合わせが素晴らしい。
サルヴァトーレにも根井シェフにも感謝の夜だ。
ちぃさんと過ごす、丸の内の素敵な夜は続きます。