誕生日のお祝いは南仏発のフレンチで、サンス・エ・サヴール、丸の内 2 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

昨年9月のある休日、ちぃさんと丸の内のフレンチ、『サンス・エ・サヴール』で過ごす素敵な午後の続き。

ここはフランス、モンペリエのミシュラン星付きレストラン、『ル・ジャルダン・デ・サンス』の東京店。

オーナーシェフの双子のジャック&ローラン・プルセル兄弟は、1988年に23歳の若さで『ル・ジャルダン・デ・サンス』を開店し、僅か10年後に最年少(当時)でミシュラン三ツ星を獲得した天才料理人。

 

第一のアントレが届く。

高知県産日戻り鰹/ビーツ/青リンゴと黒ニンニクのソルベ。

鰹は遠洋で獲ることが多いので港に戻るまで数日かかるが、日戻り鰹は釣ったその日に水揚げされる新鮮な鰹。

 

一番下の段はビーツ、その上に鰹、そして一番上にはソルベ。

青リンゴと黒ニンニクのソルベとは驚きの組み合わせだが、チョコレートが加えられているので味はマイルド。

ソースは、ヴィネグレットとヨーグルト。

 

合わせて飲んでいるのは、ドゥラモット、シャンパーニュ、ブリュット。

 

パンとバターが届く。

 

パンは面白いことに、グリーンオリーブのフォカッチャ。

フレンチでも地中海沿岸ではイタリアンの要素も取り入れられ、コースにパスタが出されることも多い。

 

バターは以前はエシレだったが、今は美瑛放牧酪農場産。

 

「丸ビル」の地下一階に「美瑛放牧酪農場」のバター工房があり、ここで作られたフレッシュなバターが採用されている。

 

第二のアントレは、北海道産帆立、ココ豆の冷たいスープ、ブリー・ド・モーのエスプーマ。

 

スープが注ぎ込まれる。

 

まるでデセールのような可愛いヴィジュアル。

ブリー・ド・モーの香りが心地よい。

 

中には刻まれた帆立がたっぷり。

 

シャンパーニュの次は、白ワインをグラスで。

イタリア、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のケラーライ・テルランが造る、ピノ・ビアンコ、2021年。

 

アルト・アディジェのスッドチロル地方に本拠地を置くケラーライ・テルランは、”ハプスブルグの至宝”(アルト・アディジェは第一次世界大戦まではオーストリア=ハンガリー帝国の領土だった)と称される最高の白ワインの造り手で、多くの三ツ星レストランでオンリストされている。

 

アルト・アディジェはドイツ語圏でもあるので、イタリア語のピノ・ビアンコに加え、ドイツ語のヴァイスブルグンダーも併記されている。

 

色合いはモスグリーン。

レモンや青リンゴに加え、ハーブの香りも感じられる。

フレッシュだが強い果実味、強靭な酸とミネラルを持つ、長期熟成タイプのワインだ。

やはりテルランの白ワインは素晴らしい。

 

第三のアントレは、ここのスペシャリティ。

フランス産フォアグラのヨーグルト仕立て、黒トリュフと馬鈴薯。

グラスの奥に写っているミネラルウォーターは、奥会津金山 天然炭酸水。

軟水の天然スパークリングウォーターを選んだ。

 

瓶の底にはフォアグラのフラン。

その上には黒トリュフたっぷりのジャガイモのムース。

 

蓋を開けると、フォアグラと黒トリュフの香りが立ちのぼる。

 

そのまま食べても美味しいし、フォカッチャに乗せて食べても頗る美味。

 

ここでコースメニューにはない口直しのスープが鈴木シェフから届く。

料理に使った肉や野菜の端材で作ったコンソメスープで、まさにSDGsスープ。

春菊のオイルで香り付けされていて美味い。

 

この後は、ポワソンとヴィアンド。

その前に持ち込んだ赤ワインをテイスティングしなければだ。

ちぃさんと過ごす、丸の内での素敵な午後は続きます。