昨年9月のこと、日本橋のリストランテ、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
今夜は、菊池シェフの特別コース料理と大友支配人・ソムリエのワイン・ペアリングをお願いしている。
ストゥッツィーノが届く。
合わせて飲んでいるのは、イタリア、ロンバルディア州のカステッロ・ボノミが造る、フランチャコルタ、キュヴェ、ヴェンティ・ドゥーエ(22)、ブリュット。
ジビマグロのカルピオーネ。
上に乗っているのは、グリーンパパイア。
カルピオーネは北イタリアの郷土料理で、日本でいえば南蛮漬け。
ジビマグロはキハダマグロの幼魚。
牛肉の生ハム、ブレザオラ。
ブレザオラは菊池シェフのお手製。
ブレザオラの下には、和梨。
秋田県産の稚鮎。
これが鮎、と驚く。
食べてみると、この苦みはまさしく鮎。
身も内臓も綺麗に濾され、とてもクリーミー。
パンとホイップバターが届く。
焼きたてのパンが美味い。
ホイップバターは大きなボウルからスプーンで掬って受け皿にぼてっと置かれるのだが、サーヴする人によって上手い下手がある。
本当に上手い人は綺麗な卵型になるのだが、今日の出来栄えはまだまだ。
二種類目のワインは、アルザスのトリンバック、ピノ・グリ、レゼルヴ、プール・ヒラマツ、2017年。
トリンバックは1626年創業で13代続く名門。
レゼルヴは厳選されたぶどうのみで造られる、上級クラスのシリーズ。
2017年は4月中旬の霜の被害で収量が大幅に減少したが、被害を免れたぶどうはその後の良い天候により、高品質のぶどうとなったとのこと。
熟した洋梨やパイナップルの香りに熟成からくる軽いエステル香。
熟成した濃厚な果実味、複雑なストラクチャーがボディに膨らみを持たせる。
ここまで熟成したピノ・グリを飲むのは初めてかもしれない。
甘エビと水ダコのマリネ、赤肉メロンのガスパチョ、西洋わさびのアクセント。
ガスパチョの上にはキャビア。
エディブルフラワーが美しい。
ガスパチョの中にはダイス状のメロン。
甘エビもたっぷり。
これは水ダコ。
途中から小さなスコップに盛られた西洋わさびを加え、味変をして楽しむ。
焼きたてのフォカッチャが届く。
彼女も私も、ヨモギのフォカッチャとプレーンフォカッチャを一切れずつ。
続いてのワインは、予想外のものが出された。
彼女がブルピノが好きと知っているので、大友さんがサヴィニー・レ・ボーヌを抜栓してくれた。
フレデリック・ルプランスは、ブルゴーニュのオート・コート・ド・ボーヌに本拠地を置く、小さなワイナリー。
フランスでは評価の高いワイナリーだが、生産量が少ないので日本にはほとんど入荷していない希少品。
フランボワーズやレッドチェリーの香り。
弾けるような果実味と程よい凝縮感、綺麗な酸が洗練されたボディを形作る。
やはり良いブルピノは美味い。
彼女と過ごす、日本橋の素敵な夜は続きます。