5月のある平日、AKKOさんと代官山のグラン・メゾン、『メゾン ポール・ボキューズ』で過ごす楽しい午後の続き。
アントレが届く。
温かいグリーンアスパラガスと帆立貝のサラダ仕立て、オランデーズソース。
帆立貝の厚みが素晴らしい。
帆立もグリーンアスパラガスも北海道産。
オランデーズソースの上に酸味のあるソースがかけられ、味に変化がつけられている。
熟成したシャンパーニュに合わせて楽しむ至福の時間。
飲んでいるシャンパーニュは、ポメリーの最高峰、キュヴェ・ルイーズ、1989年。
34年余りの熟成を経て、素晴らしい熟成古酒となっている。
ポワソンが届く。
温かなジューソースが注がれる。
天然真鯛のポワレ、ブイヤベース風ジューソース。
この身の厚みから察するに、かなりの大物の天然真鯛だ。
添えられているバゲットの上には、アイオリソース。
ブイヤベースにはアイオリソースは欠かせない。
添えられている野菜は、ポロネギ、ズッキーニ、赤と黄のパプリカ。
小食なAKKOさんには半量で作ってもらった。
ここで、AKKOさんご持参の二本目のワインを飲むことにする。
抜栓は早めにしておいてもらっている。
メドック第3級格付けの銘醸、シャトー・カロン・セギュール、1983年。
”サン・テステフのマルゴー”と称されるワインで、長期熟成に耐える骨太のワイン。
40年の時を経て、流石にコルクは脆くなっている。
ソムリエがピンセットを使いながら、丁寧に抜栓してくれた。
ルイーズの1989年とカロン・セギュールの1983年の並行飲み。
何とも贅沢な時間だ。
色はレンガ色に退色しているが、果実味はしっかり残り、古酒ならではの深い味わい。
古酒の楽しさを久し振りに実感する。
セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー31%、カベルネ・フラン7%、プティ・ヴェルド2%。
ヴィアンドは、川俣軍鶏胸肉のローストとフォア・ド・ヴォライユのフィユテ、ソース・シュープレーム。
川俣軍鶏は福島県伊達郡川俣町の特産品。
軍鶏の上には、たっぷりのモリーユ茸。
ソースシュープレームは鶏料理に良く合う。
ソースシュープレームは、フォン・ド・ヴォライユ(鶏の出汁)にマッシュルームを加えて煮詰めたものをヴルーテに加えて、卵と生クリームを合わせたソース。
フィユテ(パイ生地)の中には、フォア・ド・ヴォライユ(鶏のレバームース)。
カロン・セギュールの古酒は優しい味わいなので、軍鶏料理との相性も良い。
ヴィアンドを食べ終えると、サプライズのハピバプレート。
5月生まれのAKKOさんのために、内緒でお店に頼んでおいた。
そして今日のメニューカルテに写真を貼り付け、プレゼントしてくれるのだ。
コース料理のデセールも届く。
フレッシュベリーのキルシュ風味、ホワイトチョコレートとヨーグルトのムース、オレンジのソースとヴェルヴェーヌのアイスクリーム。
ヴェルヴェーヌはレモンバーベナのフランス名。
食事の〆はミニャルディーズと、AKKOさんはエスプレッソコーヒー。
私はレギュラーコーヒーとミニャルディーズ。
コーヒーの写真は撮り忘れ。
グレープフルーツのゼリーがジューシーでとても美味しい。
今日飲んだ二本のワイン。
AKKOさんに感謝の素晴らしい古酒だった。
席を立つときに、この燭台に気がついた。
これは閉店してしまった西麻布の『レストランひらまつ レゼルヴ』のレセプション階に置かれていたものだ。
私たちが最後の客となってしまった。
一番右奥が私たちのテーブルだった。
先崎支配人、原田マダムに見送られ、店をあとにする。
代官山のフレンチ、『メゾン ポール・ボキューズ』でAKKOさんと過ごす、素敵な午後でした。
AKKOさんの記事はこちら。