5月のこと、彼女と丸の内のフレンチ、『エスプリ・ド・タイユヴァン』で過ごす楽しい午後の続き。
ここは、パリのグラン・メゾン、『ル・タイユヴァン』の料理とワインを気軽に楽しむことができる素敵なフレンチ。
ヴィアンドが届く。
ブフ・ブルギニョン、和牛頬肉の赤ワイン煮込み。
ブフ・ブルギニヨンをメニュー化するにあたり、色々な部位の牛肉で試作した結果、頬肉が最も適しているとの結論に至ったのだそうだ。
ブルゴーニュの牛肉料理には、ブルゴーニュのピノ・ノワールが良く合う。
飲んでいるワインは、オリヴィエ・ルフレーヴ、ブルゴーニュ・ルージュ、キュヴェ・マルゴ、2021年。
オリヴィエ・ルフレーヴ氏の愛娘の名を冠するピノ・ノワール。
この大きな肉の塊は柔らかく煮込まれ、口の中でとろける美味しさ。
今日のデセールは、ベイクドチーズケーキ。
最近はレアチーズケーキかベイクドでもバスクチーズケーキを食べることが多かったので、久し振りに食べるベイクドチーズケーキが懐かしく美味い。
透明感のあるピノ・ノワールは淡い光の像を結ぶ。
今日の料理もワインも素晴らしかった。
最後の一杯を味わいながら、ソムリエの皆さんとの話も弾む。
ここのワイングラスはオーストリアのザルト・デンクアート。
熟練した職人が一つ一つ手吹きで造る、無鉛のカリクリスタル。
とても軽く、飲み口が薄く最高に滑らか。
それでいて耐久性に優れている。
ところが、彼女のグラスは違うブランド。
これは、シュピゲラウ。
ドイツバイエルン地方で1521年に設立された老舗グラスメーカーで、薄く口当たりが良いのに、驚くほどの耐久性、耐衝撃性を持っている。
最初はザルトで統一していたのだが、損耗分はシュピゲラウに置き換えているのだそうだ。
ゆっくりランチを楽しんでいたら最後の客となってしまった。
ランチの営業時間が終わらないうちに、席を立つ。
今日の料理にもワインにも満足し、店をあとにする。
平日の午後の丸の内仲通りには人影は少ない。
彼女はこのあと英語のレッスンなのだが、時間に余裕があるとのこと。
そこで「ブリックスクエア」に立ち寄る。
選んだお店は、『マルゴ丸の内』。
店長の鈴木さんに、「何時ものテラス席にしますか」と迎えられる。
私は何時もはテラス席なのだが、日焼けしたくない彼女のために店内の奥まった席をお願いする。
ここのワインセラーは圧巻。
ボルドーの五大銘醸を始め、ブルゴーニュのDRCなど、素晴らしいワインが並ぶ。
陽が当たらない奥の席は初めての経験。
ワインは飲んできているし、暑いので冷たい飲み物が欲しいという彼女に選んだのは、テキーラ、ドン・フリオ、レポサド。
ソーダ割で作ってもらう。
テキーラ・ソーダで涼んだあとは、彼女を銀座まで送っていくことに。
「ブリックスクエア」は緑が濃くなり、花盛り。
真ん中のオブジェは、ヘンリー・ムーア作、「羊の形(原型)」。
中庭を散策し、春薔薇を観て歩く。
ここは四季折々の花が咲く、癒しのスポットだ。
今(5月)は「三菱一号館美術館」は改装中で幕に覆われているが、改装後には多くの前撮りカップルが撮影に来るだろう。
(「三菱一号館美術館」は既に幕が取れ、2024年11月23日(土)にリニューアルオープンします。)
丸の内仲通りに出ると、日比谷に向かって歩を進める。
途中、京都一保堂に寄って好きなお茶を購入。
店内の客の大部分が海外からの観光客。
丸の内仲通りの終点には、「ザ・ペニンシュラ東京」。
今日も7階の窓からは、ガーゴイルがこちらを見下ろしている。
彼女と過ごす、丸の内の楽しい午後でした。