4月のこと、ちぃさんと四月大歌舞伎鑑賞の楽しい夜の続き。
開演30分前になり、正面ドアが開く。
歌舞伎座前で待っていた観客が一斉に館内に。
私たちも列に並び入館すると、耳寄屋に立ち寄り、ネットで予約しておいたイヤホンガイドを受け取って席に向かう。
四月大歌舞伎の夜の部の演目は三本立て。
今夜の一番の見どころは、”於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)”と”神田祭(かんだまつり)”での片岡仁左衛門と坂東玉三郎の共演。
やはり仁左衛門と玉三郎の共演となると、平日の16時30分開演という時間にもかかわらず、満席の盛況。
土手のお六(左)を坂東玉三郎、その夫・鬼門の喜兵衛(右)を片岡仁左衛門が演じる、息の合った円熟の舞台に引き込まれる。
二人がこの演目で初めて共演したのは1971年。
それ以来演じ続けているので、自然に息が合うのだそうだ。
後段左から、油屋太郎七:坂東彦三郎、山家屋清兵衛:中村錦之助。
二人の悪党が油屋に乗り込み、因縁をつけて金を強請ろうとする名場面。
玉三郎の凛とした悪女ぶりに目を奪われる。
企みが露見し、そそくさと油屋をあとにする二人。
軽妙な掛け合いが心地良い。
ここで35分の休憩時間。
皆さん館内の食事処に移動したり、座席でお弁当を開いたり、夕食の時間。
私たちは食事を済ませてきているので、ワインの時間。
保冷剤を詰めて持ってきたワインは、オーストラリア、南オーストラリア州、マクラーレン・ヴェイルのビスポークワインが造る、クリーンスキン・ワイン、スパークリング。
ちぃさんが買ってきてくれたおつまみも美味しそう。
遅いランチ(または早いディナー)でワインを二本余り飲んできているが、場所が変わればまた美味しく飲むことができる。
チーズ鱈やベビースターラーメンは食べやすく、ワインによく合う。
台湾風チキンカツサンドも美味い。
食べきれなかったおつまみは、私がいただいて持ち帰ることに。
35分の休憩はこうして楽しく飲んでお話をしていると、あっという間に過ぎてしまう。
芸者:坂東玉三郎、鳶頭:片岡仁左衛門
最初の演目の悪役とはガラッと変わり、品のある美しい芸者と粋な鳶頭に扮した二人の登場に思わず拍手が沸き起こる。
玉三郎と仁左衛門が”於染久松色読販”と”神田祭”を続けて歌舞伎座で上演するのは、2021年の二月大歌舞伎以来。
ここで20分間の休憩。
ボトルに残っていた最後の一杯で乾杯。
<春 紙雛>
男雛:片岡愛之助、女雛:尾上菊之助
<夏 魂まつり>
左から、仲居:中村梅花、太鼓持:中村歌之助、亭主:中村芝翫、舞妓:中村児太郎、若衆:中村橋之助
<秋 砧>
若き妻:片岡孝太郎
<冬 木枯>
真ん中でみみずくを演じるのは、尾上松緑(左)、坂東亀蔵(右)。
歌舞伎界の大御所、仁左衛門と玉三郎のお二人が、高齢にもかかわらず素晴らしい舞台を務められていることは驚嘆に値する。
このお二人の舞台は是非また鑑賞したいものだ。
ちぃさんと過ごす、東銀座での楽しい夜でした。