3月のこと、丸の内のブーランジュリー、『ポワン・エ・リーニュ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
スパークリング、白、ロゼ、オレンジと飲み進み、再び白を注文。
すると、日本ワインはいかがですかと、このボトルが出された。
山梨県甲州市勝沼町の大和葡萄酒が造る、番イ(ツガイ)、甲州、シュール・リー、2022年。
レモンやオレンジの香り、フレッシュな果実味と活き活きとしたミネラルと酸。
このクラスの日本ワインとしては驚くほどの複雑なストラクチャーとミネラルを持っている。
日本ワインに足りないと言われるミネラルを補うため、焼成粉砕した貝殻を畑に散布しているのだそうだ。
パンは四籠目。
今回は、今まで食べたパンの中から気に入ったものを二種類お願いした。
奥は三籠目のコンプレ40%、石臼挽き全粒粉40%の、サワー種で発酵させたカンパーニュ。
右は、グランノワ、テーブルパンとしても楽しめる大型くるみパン。
左は、メイプル、カナダ産最高級メイプルシロップのブリオッシュ風。
今日のメイン料理は、牛ザブトンのグリエ。
肉は好みの火入れ。
ザブトンはサシが豊富で柔らかい肉なので、火入れは少ない方が美味い。
添えられている野菜は、ベビーコーン、ズッキーニ、カボチャ、ニンジン。
肉には、赤ワイン。
大きなグラスを出してくれる。
イタリア、トスカーナ、マレンマのファットリア・マンテッラッシが造る、マンテッラッシ、クエルチョライア、2018年。
ぶどうはアリカンテ100%。
プラム、プルーン、ブラックチェリーなどの香り。
強く熟成した果実味、重めのタンニン、重層的なボディ、これは肉によく合う。
ワインを確認したところで、肉に取り掛かる。
ザブトンは噛めば甘い脂が口に広がり、頗る美味。
驚いたことに彼女がもう少しパンを食べたいというので、五籠目をお願いする。
五籠目も四籠目と同じく、グランノワとメイプル。
赤ワインをもう一杯お願いすると、今度はピノ・ノワールは如何でしょうか、とまた新しいボトルが出された。
シャブリの名門、ラロッシュがラングドックで造る、ピノ・ノワール、2022年。
チェリーやストロベリーの香り。
南仏のピノ・ノワールとは思えない綺麗な果実味と酸。
ぶどう栽培はオーガニックで、ユーロリーフの認証マークが付いていて、ヴィーガン認証も得ている。
支配人に見送られ、満腹満足で店をあとにする。
今夜はパンを13切れ、ワインを8杯飲んだので、お腹が重い。
まだ時間はそれほど遅くないので、「新丸ビル」の地下には多くの買い物客。
彼女と過ごす、丸の内で楽しく食べ過ぎ飲み過ぎた夜でした。