3月のこと、丸の内のブーランジュリー、『ポワン・エ・リーニュ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
食べているのは、前菜の盛り合わせ。
スパークリングワインを二杯飲んだ後は、白ワイン。
オーストラリア、ヴィクトリア州、モーニントン・ペニンシュラのクーヨン&ポート・フィリップ・エステートが造る、クローナル、シャルドネ、2016年。
グレープフルーツやライムの香り。
口に含むと、濃厚な果実味、力強いミネラルと酸、樽のニュアンス、後味にはグレープフルーツの皮の軽い苦み。
これは力強く洗練されたシャルドネだ。
天然酵母を使い、樽で発酵。
熟成は、フレンチオークの樽でシュール・リーで10ヶ月。
前菜との相性も良く、ワインも食事も進む。
スパークリング、白のあとは、ロゼを飲むことにする。
フランス、ラングドック・ルーションのドメーヌ・カズが造る、ル・カノン・デュ・マレシャル、2021年。
ドメーヌ・カズは多くの三ツ星レストランでオンリストされる人気のビオディナミの造り手。
ブランド名は、このワインの畑の前の所有者であり、フランスの国民的英雄、マレシャル・ジョフル元帥へのオマージュで生まれたのも。
フランボワーズやチェリーのフルーティーな香り。
爽快な果実味に心地良い酸を持つ、綺麗な辛口。
セパージュはシラー50%、ムールヴェードル50%、熟成はステンレスタンクで6ヶ月。
ぶどう栽培はビオディナミで、バックラベルには認証マークのユーロリーフとビオディヴァンが付いている。
一籠目のパンを食べ終えると、二籠目のパンが届く。
奥は、レジェルテ、マスカルポーネクリームを配合したふわふわ生食パン。
右は、十勝、北海道十勝産小麦100%のオリジナルバゲット。
左は、グランノワ、テーブルパンとしても楽しめる大型くるみパン。
四種類目のワインは、オレンジを選ぶ。
このワイン、名前もオレンジ。
ルーマニアのクラメレ・レカシュが造る、オレンジ・ナチュラル・ワイン、2022年。
クラメレ・レカシュは1447年創業の、ルーマニア最大規模のワイナリー。
ぶどう栽培はオーガニックで、ユーロリーフの認証マークが付いている。
酸化防止剤無添加で、ヴィーガンにも対応。
ブラッドオレンジやルビーグレープフルーツの香り。
まろやかな果実味にしっかりとしたタンニン、オレンジの皮のニュアンスがボディを引き締める。
セパージュは、リースリング46%、ソーヴィニヨン・ブラン30%、マスカット・オットネル18%、ピノ・グリージョ6%。
三籠目のパン。
彼女はここのパンが美味しいと言って、次々と口に運んでいく。
そのスピードに、私は追いつくのに必死。
奥は、二度目のコンプレ40%、石臼挽き全粒粉40%の、サワー種で発酵させたカンパーニュ。
右も、二度目の十勝、北海道十勝産小麦100%のオリジナルバゲット。
左は、メイプル、カナダ産最高級メイプルシロップのブリオッシュ風。
海老のアヒージョが届く。
大きな海老が4尾。
エビはとても柔らかく、殻ごと頭も尾も食べることができる。
彼女と過ごす、丸の内の楽しい夜は続きます。