3月のある休日、彼女と「丸の内ハウス」で過ごす楽しい午後の続き。
『鮨&バー 不二楼』を出て次に向かったのは、スパニッシュ・イタリアンの『リゴレット ワイン&バー』。
通路から店内を見ると、満席。
でも予約しているので、席はあるはず。
今日は暖かいので、テラス席も人気。
『リゴレット』のバーは廊下側がオープンとなっていて、ここで料理や飲み物を買ってテラスに運んで楽しむことができる。
重いドアを押し、中に入る。
「セラーの中を通って店に入るのね。涼しくて気持ちが良いわ」と、喜ぶ彼女。
温度変化と振動はワインにとっては良いことではないが、来訪客を喜ばせる効果は大きい。
ランチの時間は既に過ぎているが、店内は満席で賑やかな話し声が響く。
一つだけ空いたテーブルがあり、そこが私たちのテーブルだった。
料理を選ぶのは彼女に任せ、私はワイン・リストを検討し、スパークリングワインを選ぶ。
オーストラリア、ヴィクトリア州のアンドリュー・ピース・ワインズが造る、ウォーターホールズ・クリーク、ブリュット、ブラン・ド・ブラン。
完熟した洋梨や黄桃の香り。
口に含むと、フレッシュな酸を持つキリリと引き締まった辛口、そして後味には果実の仄かな甘み。
アンドリュー・ピースのワインは外れが無い。
真ダコのセビーチェが届く。
「今日のお鮨にタコは無かったでしょ」と彼女。
今はフランスでもタコが人気となり、国際的にタコの価格が上がっている。
そう思うと、タコが一層美味しく感じる。
次に届いたのは、兵庫県産ホタルイカと釜揚げしらすのマリナーラ。
「お腹がいっぱいと言ってなかった?」と私。
「でもホタルイカとしらすだなんて魅力的でしょ」と彼女。
確かに美味しいが、しらすの塩分が少し強い。
それだけに、スパークリングワインが進む。
ピッツァと一緒に届いたのは、マリー・シャープス、ハバネロソース、ファイアリー・ホット。
ユカタン半島南部にあるカリブ海に面した国、ベリーズの名産品。
辛さは、ホット(中辛)、ファイアリー・ホット(大辛)、ビーウェア・コマトスホット(激辛)の三種類がある。
ハバネロソースを振りかけて食べる。
美味いが、かなりホット。
最後の一杯を味わいながらも、話しは止まらない。
まったり過ごす、休日の午後は楽しい。
満席だった店内は、流石に15時半となると空席がちらほら見えるようになった。
最後のグラスを飲み干すと、店をあとにする。
好天の休日、まだまだ人出は多い。
テラスに出てみた。
そよ風が気持ち良い。
奥に見えているのは、「KITTE丸の内」があるJPタワー。
眼下には、東京駅丸の内駅舎。
彼女と過ごす、丸の内での楽しい休日の午後でした。