3月のこと、ちぃさんと二重橋で待ち合わせ。
二重橋から行幸通りの地下道を通り、東京駅方面に進む。
向かった先は、行幸通り地下道から直結で行ける、「新丸ビル」。
エレベーターを5階で下りると、まずは『メゾン・バルサック』のシマウマにご挨拶。
今日も元気に草を、いやカーペットを食んでいる。
(『メゾン・バルサック』は5月に閉店しています。)
今夜のお店は『メゾン・バルサック』ではなく、お隣の『エリックス バイ エリック・トロション』。
ここはM.O.F.、フランス国家最優秀職人賞受賞シェフのエリック・トロション氏の東京店。
ディナーにはまだ少し早すぎる時間なので、店内は空いている。
店頭には何時も美しい生花が。
でも今日は菊の花が元気がない。
窓の外には東京駅丸の内駅舎。
その向こう側、八重洲地区も再開発が進み、景色が大きく変わっている。
店長の大塚さんに迎えられ、何時ものカウンター席に案内される。
目の前にはワイングラスが、その奥のワインセラーには銘醸ワインがずらりと並ぶ。
背中側の壁には、ブルゴーニュ、コート・ドールのグラン・クリュ街道の地図。
クラン・クリュ街道は二度、車で走ったことがある。
今夜はシャンパーニュ・ディナー。
大塚店長が用意してくれたシャンパーニュをカウンター上に並べてくれる。
右側の三本のロゼから一本を選び、あとは左側の二本と合わせた三本が今夜のシャンパーニュ。
三本のロゼから選んだのは、シャンパーニュ・ドゥ・カステルノー、ブリュット、ロゼ。
あとの二本、シャスネ・ダルスのロゼとマムのロゼは何度か飲んだことがある。
カステルノーもブリュットは二度飲んだことがあるが、ロゼは初めて。
1961年創業の比較的若いメゾンだが、2012年からはツール・ド・フランスの公式スポンサーを務めていることでも有名。
品質の評価は高く、イギリスのドリンクス・インターナショナル誌で”世界で最も賞賛されるシャンパーニュ・ブランド2019”で、クリュッグ、ドン・ペリニヨン、ポル・ロジェ等と並んで、ベスト30に選出されている。
ちぃさんと、今夜もいっぱい飲みましょうの乾杯。
カウンターの壁に明かりが仕込まれているので、写真ではワインの色がよくわからないが、美しいサーモンピンク。
フランボワーズ、ダークチェリーの香り。
豊かな果実味、活発な酸、切れの良い辛口、後味にはブリオッシュのニュアンスやぶどうの皮の心地よい渋み。
ぶどうは、ピノ・ムニエ51%、シャルドネ35%、ピノ・ノワール14%、瓶内熟成期間は48ヶ月と長い。
アミューズは、グジェール。
挟まれているのは、サーモンとディルが入ったレモンクリーム。
最初の一杯は瞬殺。
二杯目を注いでもらう。
第一のアントレは、甘海老、カリフラワー、コンソメ。
重信シェフのメニューはメインの食材が書かれているだけなので、どんな料理が届くのか想像するのが楽しい。
カリフラワーのムースの上には、甘海老。
甘海老はカイエンペッパーを加えて軽くマリネされている。
カリフラワーのムースを囲むのは、コンソメのジュレ。
皿の縁に散らされているのは、ライムの皮のパウダー。
甘海老の真ん中にはイクラ。
幾重にも重なる味のハーモニーが楽しい。
バゲットが届く。
美味しくお代わりもできるのだが、料理が食べられなくなるので食べ過ぎ注意。
ちぃさんと過ごす、丸の内での素敵なシャンパーニュ・ディナーは続きます。