3月のこと、彼女と日本橋のリストランテ、『代官山ASO チェレステ日本橋』で過ごす楽しい夜の続き。
今夜は広島県の食材を使ったフルコース。
飲んでいるワインは、ロンバルディア州のカステッロ・ボノミが造る、フランチャコルタ、キュヴェ22、ブリュット、ブラン・ド・ブラン。
今夜はワインはペアリングでお願いしているが、ストゥッツィーノが届く前に飲み干してしまった。
そこで、もう一杯追加。
ストゥッツィーノは三種。
四万十ポークのリエット。
これは広島県ではなく高知県の銘柄豚。
ブレザオラはロンバルディア地方で作られる、牛の生ハム。
豚に較べとても手間が掛かるので、希少な高級食材。
肉の中には、リンゴ。
麦とイカのマリネ。
麦のプチプチ感とイカのねっとり感の食感が楽しい。
アンティパストに合わせるワインが届く。
ドメーヌ・ゴートゥロン、シャブリ、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2020年。
ゴートゥロンは7代続く家族経営のドメーヌ。
果実のフレッシュ感を残すため、醸造にはステンレスタンクを使用。
フレッシュな果実味、溌剌としたミネラル、綺麗な酸、そしてヴィエイユ・ヴィーニュらしい複層的で奥行きのあるストラクチャー。
やはり上質のシャブリは美味い。
中野水産 美浄生牡蠣、エルバステラと広島はっさくのソース、尾道造酢の「KAHISU」のジュレ。
中野水産は広島県呉市音戸町の牡蠣生産者。
美浄生牡蠣は、音戸の瀬戸で育て、特殊な浄化処理を施し、臭みを無くし旨みだけを閉じ込めた、美味清浄な生牡蠣。
プリプリの生牡蠣の上には、たっぷりのジュレとエディブルフラワー。
ソースに使われているエルバステラは、”星の草”という名前のイタリアの野菜。
爽やかな「KAHISU」のジュレが生牡蠣の美味さを引き立てる。
「KAHISU」は広島県尾道市の尾道造酢が橙果皮で造る、飲むお酢。
ジュレにはしょっつるが隠し味で使われている。
パンが届く。
パンのお供は、ホイップバター。
大きなボウルからスプーンで掬って皿にボテッと乗せてくれるが、今回は割と綺麗な形状になっている。
代官山の『リストランテASO』からこちらに異動した佐藤さんはなかなか上手い。
続くワインは、ヴェネト州のピエロパンが造る、ソアヴェ、クラッシコ、ラ・ロッカ、2020年。
ピエロパンはソアヴェ最高の造り手。
大友支配人・ソムリエはピエロパンがお好きなので、ここで飲む機会が多い。
勿論私も大好きな造り手なので、嬉しいペアリング・ワインの選択。
熟した洋梨、アプリコットの香りに、樽由来の微かなバニラ香。
豊かな果実味と熟成感、まろやかなミネラルと控えめな酸、後味には炒ったナッツのニュアンスを持つリッチなボディ。
セパージュはガルガーネガ100%。
ぶどう栽培はオーガニックで、EUの認証マーク、ユーロリーフが付いている。
熟成はオーク樽で12ヶ月、その後数か月の瓶熟を経てリリースされている。
プリモピアットは、広島赤鶏のアニョロッティ・ダル・プリン、きのこ屋本舗の舞茸と祇園パセリ。
アニョロッティ・ダル・プリンはピエモンテの郷土料理。
パスタの上には舞茸と祇園パセリ。
その上に振りかけているのは、パルミジャーノ・レッジャーノ。
クリームソースの中にも祇園パセリ。
祇園パセリは、広島県広島市安佐南区の祇園地区で栽培される銘柄パセリ。
プリンはピエモンテ地方の方言で摘まむという意味。
パスタ生地で広島赤鶏のミンチを包み、摘まんで閉じている。
パスタの中には、広島赤鶏のミンチがたっぷり。
ピエロパンのソアヴェ・クラッシコがよく合って美味い。
彼女と過ごす、日本橋の大好きなリストランテでの素敵な夜は続きます。