2月のこと、ちぃさんと北千住の『能登割烹 とぐち』で過ごす楽しい夜の続き。
飲んでいるお酒は、石川県中能登町の鳥屋酒造が醸す、池月 うすにごり 本醸造 生。
能登半島応援のため、能登半島の酒を飲みに来たのだが、既に能登の酒は在庫が切れ、唯一飲めたのが池月だった。
壁に、福岡産新たけのこ入荷と貼られている。
これを見れば頼まないわけにはいかない。
大将に聞くと、焼くか天麩羅でということなので、焼いてもらった。
初物のたけのこは柔らかくて美味い。
二杯目の酒は、この時期に相応しい立春朝搾り。
栃木県佐野市の第一酒造が醸す、開華 純米吟醸 生原酒 令和六年甲辰(きのえたつ)二月四日 立春朝搾り。
使用米は五百万石、美山錦、精米歩合は55%。
この酒はreinaさんに教えていただいた。
神社でお祓いを受けた立春朝搾りを飲むと、今年も元気で過ごせそうだ。
アジフライは大好物。
添えられているのは春菊の天麩羅。
能登醤油と山葵で和えた大根おろしを付けて食べる。
アジが肉厚で美味い。
鱸のカマ。
鮪と鰤のカマもあったが、鱸を選んだ。
柔らかな身が美味しく、日本酒が進む。
三杯目の酒は、秋田県由利本荘市の齋彌酒造店が醸す、雪の茅舎 山廃純米 生酒。
使用米は山田錦、秋田酒こまち、精米歩合は65%。
フレッシュでフルーティーな口当たり。
米の旨みを綺麗な酸が引き締めている。
ふぐの唐揚げ。
可愛いふぐが四尾。
文句なく美味い。
四杯目の酒は、新潟県南魚沼市の青木酒造が醸す、鶴齢 純米生原酒 山田錦 令和四年度醸造。
山田錦を65%まで磨いて醸されている。
令和四年度醸造という事は、2022年7月から2023年6月までの間に造られた酒。
バックラベルを見ると、2023年3月製造と書かれている。
という事は、ひと夏熟成させた酒ということ。
芳醇な旨みを持つ生原酒。
熟成させ、よりまろみが増しているようだ。
珠洲市の宗玄酒造も大きな被害を受けている。
それでも残った設備で醸造を続けて復興酒を1000本造り、売り上げの4割を珠洲市に寄付したそうだ。
お化粧室の壁には、少し控えめに日本酒のラベルが貼られている。
1種類を除き、あとは飲んだことのある酒ばかりだ。
お化粧室の中には「あきない」の額。
用を足しながら読んでしまう。
ここの大将は「笑売」をしているから、「勝売」になっているのだろう。
大将に今夜の礼を述べ、店をあとにする。
料理は丁寧で美味しく、若い女性スタッフの元気な対応も気持ち良かった。
ここにはまた来なければだ。
ちぃさんと過ごす、北千住の楽しい夜は続きます。