新年1月初めのこと、彼女と「麻布台ヒルズ」、森JPタワーの33階、『Hills House Dining 33』で過ごす素敵な夜の続き。
ここはフレンチの巨匠、三國清三シェフがプロデュースするフレンチ・レストラン。
アミューズが届く。
ユリネと白ゴマのフロマージュブラン。
白ゴマとフロマージュブランの組み合わせとは面白い。
濃厚な白ゴマの味わいが空腹の胃に優しく染み渡る。
飲んでいるワインは、ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブラン・ド・ブラン、エクストラ・ブリュット。
大きなパンも届く。
パンはフォカッチャ。
フレンチ・レストランでフォカッチャガ出されるのは珍しい。
これが美味しいのだが、メインを食べられなくなるといけないのでゆっくり味わう。
フォカッチャのお供は、オリーブオイル・スプレッド。
オリーブオイル、ニンニク、ハーブで作られている。
アントレは、伊勢海老のショーフロア仕立て、ロマネスコと根セロリ、その伊勢海老のコンソメキューブ、2種のマヨネーズ。
お正月らしい料理だ。
伊勢海老の上には、マヨネーズとゼラチンのソース。
皿の上には、トマトと生クリームのソース。
ソースの下には、伊勢海老の身とロマネスコ、根セロリ、コンソメキューブがごろごろ。
クレマン・ド・ブルゴーニュにもよく合い、グラスがどんどん進む。
次の料理に合わせ、濃厚な白をグラスで。
オーストラリア、南オーストラリア州バロッサ・ヴァレーのイェランド&パップスが造る、バロッサ・ヴァレー、シングル・ヴィンヤード、ルーサンヌ、2021年。
イェランド&パップスは、スーザン&マイケル・パップスが2005年にバロッサ・ヴァレーに設立したワイナリー。
ルーサンヌはフランス、ローヌ地方のぶどう品種。
そのルーサンヌ100%のワインが南オーストラリアで造られているとは知らなかった。
イェランド&パップスのワインが日本に初めて輸入されたのは2021年の10月、そしてルーサンヌ・シングル・ヴィンヤードの初入荷は2022年とのこと。
圧倒的に濃厚な果実味、活き活きとした酸、強めの樽のニュアンス。
複層的なストラクチャーを持つパワフルなボディで、長期熟成に耐えるポテンシャルを感じる。
フレンチ・オークのパンチョン(容量480ℓ)で8ヶ月かけて澱と共に発酵・熟成され、無濾過でボトリングされている。
二皿目のアントレは、フォアグラのフリット、菜の花と香草サラダ、クルミとヘーゼルナッツのオイル、バルサミコのヴィネグレット。
草を纏った森の住人が都会に現れ、少し戸惑っているような雰囲気。
香草を落とさないように、慎重に取り分け。
下に敷かれていた菜の花は、フォアグラの横に置く。
我ながらとても美しい盛り付け。
クルミとヘーゼルナッツのオイル、バルサミコのヴィネグレットは別添え。
彼女がソースを掛けた後、残りを勢いよく注いだら、ソースだくになってしまった。
「なにそれ、折角綺麗に取り分けたのに」と彼女に笑われてしまう。
森の住人が泥沼にはまった感じ。
でも、美味しければそれで良いのです。
夜が深まり、東京タワーが輝きを増す。
右奥に見えているのはレインボーブリッジ。
彼女と過ごす、「麻布台ヒルズ」の『Hills House Dining 33』での素敵な新年ディナーの夜は続きます。