11月のこと、丸の内のお気に入りのフレンチ、『エリックス バイ エリック・トロション』で過ごす、楽しい夜の続き。
今夜はシャンパーニュ・ディナー、最初のシャンパーニュは、R & L ルグラ、ブラン・ド・ブラン、ブリュット、グラン・クリュ、次のシャンパーニュは、ド・サン・マルソー、フィリポナ、ブリュット。
そして飲んでいる三本目のシャンパーニュは、ヴーヴ・クリコ、ポンサルダン、ブリュット、イエロー・ラベル。
ポワソンが届く。
真鯛のポワレ、ビスク・ソース。
皮目はパリっと焼かれ、肉厚の身はジューシーで旨みが凝縮されている。
ビスク・ソースの香りが素晴らしい。
ボジョレー・ヌーヴォー解禁日のすぐ後ということで、良い造り手のものが揃っている。
昨年はここで確かマルセル・ラピエールとフィリップ・パカレを飲んだが、今年は無いようだ。
そこで選んだのは、クリストフ・パカレのヴァン・ド・プリムール、2023年。
クリストフの叔父はマルセル・ラピエールで、フィリップ・パカレとは従兄同士という、自然派の名門一族。
高樹齢のぶどうをビオディナミで栽培し、発酵は自然酵母、酸化防止剤不使用というナチュラルなワイン。
自然なガメイの味わいが素晴らしい。
ヴィアンドは、蝦夷鹿、ビーツ。
蝦夷鹿の腿肉の焼き色が食欲をそそる。
ソースはジビエに定番のソース・ポワヴラード。
ポワヴラードは、ジビエの出汁に胡椒を利かせたソース。
蝦夷鹿の腿肉は、ナイフがスッと通る柔らかさ。
この旨みが堪らない。
ヴァン・ド・プリムールも美味しいが、やはりもっと強い赤を合わせたくなる。
そこで選んだワインは、イタリア、プーリア州のエレットラが造る、プーリア、プリミティーヴォ/ネグロアマーロ、2021年。
ダークチェリー、ブラックベリー、カシスの香り。
豊かな果実味、強いが滑らかなタンニン、炒ったナッツやスパイスのニュアンス。
ぶどうはプリミティーヴォとネグロアマーロで、アルコール度数は14.5%と高い。
やはりジビエにはこのワインの方がよく合う。
デセールは三種盛り。
ホワイトチョコレートのムース。
洋梨のジュレ、パンナコッタ。
ティラミス。
今夜の料理もワインも素晴らしかった。
重信シェフの料理は楽しく美しく、そして美味しくて大好きだ。
大塚店長に見送られ、店をあとにする。
お隣り、『メゾン・バルサック』のシマウマにもお休みの挨拶。
(『メゾン・バルサック』は5月に閉店し、ここには6月から『ブルディガラ』が開店しています。)
彼女は食後は何時もまっすぐ帰りたがるのだが、今夜は珍しくクリスマスツリーを見たいというので3階のアトリウムに案内する。
丸の内ブライトクリスマス2023のテーマは、”Disney DREAMS & WISHES”。
そしてここのツリーのテーマは「ファンタジア」。
この帽子がツリーのデザインのモデルとなっている。
1階に降りると、丸の内仲通りを通り、今度は「丸ビル」に向かう。
「丸ビル」1階のマルキューブのツリーのテーマは、「ウィッシュ」。
ディズニー100周年記念アニメがテーマとなっている。
次々と色が変わるのを二人で眺める。
こんな時間も良いものだ。
彼女と過ごす丸の内の夜は素敵に更けていきました。