11月のこと、四年ぶりの楽しい高知旅の続き。
メンバーは、しづちゃんと私。
土佐久礼駅から歩いて向かったのは、久礼大正町市場。
鰹で有名な市場だ。
入口の立て札によると、この市場は明治中頃、漁師のおかみさんたちが小魚を売るようになったのが始まりとのこと。
大正四年にこの一帯が消失する大火災に見舞われた時、大正天皇が復興資金を援助したことから、その感謝のしるしとして町名が「地蔵町」から「大正町」に改められたのだそうだ。
市場の真ん中に立ち、前方を撮影。
振り返り、歩いてきた方向を撮影。
え、こんなに短い市場なの、というのが正直な感想。
でも美味しい鰹を食べることができるそうなので、気を取り直し、魚を選ぶことにする。
天井から吊り下げられた大漁旗には、青柳裕介さんの漫画、「土佐の一本釣り」の主人公の純平。
そう、久礼は「土佐の一本釣り」の舞台なのだ。
ランチのお店は、人気の『田中鮮魚店』。
お店の女将さんの前に並んでいるのが生の鰹。
その横には鰹のたたきも並べられている。
ここで魚を選び支払いを済ませると、番号札を渡される。
向かい側のお店で買った魚を食べることができる。
置かれたノートに名前と番号札の数字を書き込み、呼ばれるのを待つ。
私達は三番目。
数分待っただけで入店。
満席なので店内の撮影は控える。
日本酒を飲みたかったが、ビールしかないとのこと。
しづちゃんと乾杯。
スーパードライの生ジョッキ缶。
これならグラスが不要なので、手間いらずだ。
ビールのお供は、鰹節。
これは美味い。
”THE タナカのツマミ”という名称なのだそうだ。
刺身とご飯と味噌汁も届き、テーブルが賑やかになる。
向かいの『田中鮮魚店』で買った鰹とグジは綺麗に切られて皿に盛られている。
鰹は夜にたたきを食べる予定なので、昼は刺身を選んだ。
店頭に並んでいた中で、背側の一番大きな柵を購入したが、こうして皿に盛られると圧巻のヴォリューム。
こちらはグジの刺身。
グジは甘鯛のこと。
小さな皿は、岩塩と生のニンニク。
鰹の刺身用だ。
明日は周りの人に嫌われるかもと言いながら、岩塩と生ニンニクで食べると頗る美味。
醤油皿はちゃんと二枚出されている。
こちらはグジを山葵で。
「ニンニクを追加しますか」と言ってくれたので、出してもらう。
明日の飛行機では息を潜めなければだ。
たっぷりニンニクを乗せていただく。
幸せなひととき。
店内には、俳人、森澄雄の額。
「鰹の久礼 明けの星 鰹舟行く久礼の浦 沖の黒潮荒波育ち 一本釣りの久礼鰹 景色と魚は中土佐自慢 どうせ行くなら久礼大正市場美味処 澄雄」。
満腹満足で店を出ると、久礼の街をしばし散策。
しづちゃんと過ごす、高知の楽しい旅は続きます。