10月のこと、彼女と「東京ミッドタウン八重洲」のレストランで待ち合わせ。
まだ17時少し過ぎだというのに、外はもうこんなに暗い。
今夜の待ち合わせの場所は、この右側のビル、八重洲セントラルタワーの中にある「東京ミッドタウン八重洲」。
吉岡徳仁作の「STAR」にはまだ照明が当てられていないが、暗くなったので壁面に張られたLEDフィルムの画面は良く見える。
今夜の場所は二階の「ヤエパブ」ではない。
三階のレストラン街に進む。
新しいオブジェ、西野壮平の「Mauntain line ”Everest”」が飾られている。
麓の町からエベレストまでの23日間の旅で撮影した膨大な数の写真をつなぎ合わせてコラージュした作品。
今夜のお店は、フレンチ・ビストロ、『オ・デリス・ド・ドディーヌ』。
大門にあった予約が取れない人気店が、「東京ミッドタウン八重洲」の開業に合わせて移転したお店。
ここでも連日満席の人気を維持している。
開店後すぐに入店したので他に客は少ないが、一時間後には満席となった。
彼女が到着すると、選んでおいたスパークリングワインを抜栓。
オーストラリア、ヴィクトリア州のタルターニ・ヴィンヤーズが造る、タルターニ、ブリュット、タシェ、ミレジム、2015年。
既に8年半の熟成を経ている。
タルターニはカリフォルニアの銘醸、クロ・デュ・ヴァルがオーストラリアに設立したワイナリー。
688haの広大な土地を保有し、その内132haにぶどうが植栽されている。
美しいサーモンピンク、勢いのある泡立ち。
”タシェ”とはフランス語で”色のついた”という意味。
フランボワーズの香り。
口に含むと、黒果実の凝縮感、熟成感を持つキレの良い辛口。
瓶内二次発酵方式で造られ、ぶどうはピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエ。
今夜はアラカルトで料理を選ぶ。
彼女と相談して好みのコースを仕立て、最後に店長さんにヴォリュームチェックをお願いする。
冷前菜は、鰯のマリネ、ラタトゥイユを添えて。
料理を一種類注文すると、ちゃんと二皿で届くのが嬉しい。
鰯が新鮮で脂がのってとても美味い。
ブリュットのスパークリングともよく合い、ボトルをどんどん飲み進む。
バゲットは熱々。
毛糸で編んだパン籠が可愛い。
ニース風サラダも届く。
ヴォリュームが半端ない。
サラダ・ニソワーズには葉物野菜だけでなく、ジャガイモ、インゲン、オリーブ、そしてツナとゆで卵が入っている。
サラダだけは一皿で届くので、私が二人の皿に取り分け。
「なんだかもうお腹いっぱいになってきちゃった」と彼女。
温前菜は、ホタテ貝のポワレ、甘みのある根菜を添えて。
根菜がゴロゴロ入っているが、ホタテが見えない。
葉っぱを横にずらすと、特大の帆立が現れた。
この帆立、とても美味い。
ここまでの料理で既に、このお店の人気の理由がわかる気がする。
彼女と過ごす、八重洲の楽しい夜は続きます。






















