10月のこと、彼女と何時ものフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』で過ごす楽しい夜の続き。
今夜の白ワインは人気の造り手の素晴らしいボトル。
ブルゴーニュ、マコネのメゾン・ヴェルジェ(ドメーヌ・ギュファン・エナン)が造る、プイィ・フュッセ、テール・ド・ピエール、2019年。
ジャン・マリー・ギュファンスはベルギー出身で、1980年にドメーヌ・ギュファン・エナンを創設し、瞬く間にスター・ドメーヌに育て上げた、天才醸造家。
透明感のある淡い黄金色。
グレープフルーツ、青リンゴ、そして洋梨の溌剌とした香り。
濃厚な果実味と複雑なストラクチャーを持ちながら、すっきりとした後味を持つ洗練されたボディ。
確かに、このシャルドネは素晴らしい。
ポワソンが届く。
ヒラメのポシェ、ソースムースリーヌ、シャンピニオンデュクセルのクルート。
ヒラメを包んだクルートは大きく存在感がある。
切り分けると、中にはシャンピニオンデュクセルを纏ったヒラメのポシェ。
ソースムースリーヌを付けて食べると美味い。
ソースムースリーヌの中にはパスタが潜んでいた。
これはお腹に堪えそうで、まさにリヨン料理と言ったところ。
ヴィアンドに合わせる赤ワインは、ヴァル・ド・ロワール、ソミュール・シャンピニーのドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴが造る、ラ・マルジナル、2011年。
赤果実の香り、素晴らしい果実の凝縮感と熟成感、綺麗な酸が果実味を包み、タンニンはまろやかで控えめ。
ぶどうはカベルネ・フラン100%。
”ラ・マルジナル”とは、”既存の枠組みから外れた”という意味で、ぶどうの優良年にのみ生産される、特別な銘柄
ぶどう栽培はビオディナミで、バックラベルにはヴィオディヴァンとABの認証マークが付いている。
ティエリー・ジェルマンはビオディナミの先駆者なのだ。
ヴィアンドは、麦黒牛フィレ肉のロースト、黒胡椒風味、スパイシーなジューソース、グラタンドフィノワとともに。
牛フィレ肉のローストの上には、粗挽きの黒胡椒がたっぷり。
ジューソースの香りが素晴らしい。
グラタンドフィノワはリヨンの肉料理には必須アイテム。
フィレ肉には洗練された赤ワインが良く合う。
フィレ肉の焼き色が素晴らしく、食欲を掻き立てる。
デセールは、モンブラン<ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座>、ラム酒風味のチョコレートソースとバニラアイスクリーム。
モンブランは二人とも大好き。
マロンクリームの中には、チョコレートでコーティングされたメレンゲ。
ラム酒の香りも心地よい。
〆は熱々のコーヒー。
コーヒーを飲みながらも、星野シェフ、竹内支配人と話しが弾む。
在りし日のポール・ボキューズさん。
今夜も満腹満足で店をあとにする。
「マロニエゲート銀座1」を出ると、彼女と肩を並べて少し散策。
有楽町の高架下にある『THE STAND』の”ギンザ コリドー カヌレ”は一度食べてみたいと思っている。
有楽町駅前の『クニャーネの店』には何時も行列ができているが、今は既に営業を終えている。
ここでは京都で人気の『京都 たま木亭』のクニャーネを買うことができる。
私も一度食べてみたが、サクサクの外筒と中の生クリームとカスタードクリームのバランスが良くとても美味い。
西銀座チャンスセンターには、ハロウィンジャンボ宝くじを買い求める人の長い行列。
数寄屋橋交差点に来ると、メゾン・エルメスが明るく輝く。
彼女と過ごす、銀座の楽しい夜でした。