9月のこと、代官山のフレンチ、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
肉料理に合わせ、素晴らしい赤ワインが届く。
ロワール、ソミュール・シャンピニーのドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ、テール・ショード、2012年。
フランスのワイン評価誌で最高評価を獲得する数少ない生産者。
ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴは1850年設立の歴史あるドメーヌで、それをティエリー・ジェルマンが取得したのは1992年。
2000年には有機栽培に、2003年にはビオディナミに栽培を進化させ、ロワールを代表するビオディナミ生産者の一人となっている。
バックラベルには、ビオディナミ生産者団体のヴィオディヴァン、フランス政府のAB、EUのユーロリーフの三つのオーガニック認証マークが付いている。
クリアーな果実の凝縮感。
綺麗な酸とミネラルがボディを引き締める。
ストレスのない自然な美味しさを満喫できるワインだ。
ぶどうはカベルネ・フラン100%。
カトラリーはクリストフルのシルバーコーティング。
ヴィアンドが届く。
特選国産牛フィレ肉のポワレ、赤ワインソース、キャビア・ド・オーベルジーヌと共に。
粗挽きの黒胡椒の香りが鼻腔をくすぐる。
添えられているキャビア・ド・オーベルジーヌは、”貧乏人のキャビア”。
茄子で作るフランスで定番の家庭料理だ。
牛フィレ肉の焼き色が素晴らしい。
肉は柔らかく、口中いっぱいに旨みが広がる。
ここでお店からサプライズのハピバプレートが届く。
私の誕生日を覚えていてくれたことに感謝。
ハピバプレートを前に、二人で記念撮影。
食後に、この写真を張り付けた今夜のメニューカルテをプレゼントしてくれた。
デザートフォークとスプーンが届く。
クリストフルのマルメゾンのシリーズのようだ。
デセールは、シャインマスカットとホワイトチョコレートのパルフェグラッセ、カカオパルプのムース。
白い二つのボールがカカオパルプ。
カカオパルプはカカオ豆を包んでいるふわふわの白い果肉。
近年、食品として注目されている。
真ん中がホワイトチョコレートのパルフェ・グラッセ。
パルフェ=完璧なと名付けられただけあり、まろやかでクリーミーで冷たくてとても美味い。
ミニャルディーズが届く。
もうお腹はいっぱいだが、美味しいので食べてしまう。
〆は濃いコーヒー。
何時もはブラックなのだが、今夜はミルクを入れていただく。
コロナ以降、ここのお砂糖も個包装のフランスのラ・ペルーシュとなっている。
ラ・ペルーシュは、インド洋に浮かぶフランス領レユニオン島のサトウキビ100%で作られるプレミアム・シュガー。
ここには、ボキューズ・ドールのトロフィーが飾られている。
ボキューズ・ドール(Bocuse d'or)は、2年毎(奇数年)の1月にフランス・リヨンで開催される世界最高峰の料理コンクールで、いわば料理オリンピック。
2023年大会には銀座のフレンチ、『アルジェント』の石井シェフが日本代表として参加。
優勝はデンマーク、2位はノルウェー、3位はハンガリーで、以下4位スウェーデン、5位フランス、6位フィンランド、7位英国、8位アメリカ、9位スイス、10位カナダ、日本は24か国中12位となった。
北欧勢の強さが目立と結果となった。
美しい生花に見送られ、満腹満足で店をあとにする。
エントランスを出ると、この階段を上り、外に出る。
まだ雨が降っている。
「車を呼んでもらえばよかったですね」と私。
「表の通りで私が車を拾います」と原田マダム。
旧山手通りで、原田マダム、入砂料理長、そして私の三人が手を挙げてタクシーを止めることに。
ここは恵比寿駅への戻り車が多く通るので、直ぐに車が捕まった。
原田さん、入砂さんにお礼を述べ、店をあとにする。
彼女と過ごす、代官山の夜は素敵に更けていきました。




















