8月のこと、日本橋のリストランテ、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす楽しい午後の続き。
ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ロゼ、ブリュット、ミレジム、2019年のグラスを飲み干すと、大友支配人に今日のお薦めの白をお願いする。
出されたワインは、イタリア、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のカンティーナ・ラヴィスが造る、クラシック・リースリング、2020年。
カンティーナ・ラヴィスはトレンティーノを代表するワイナリー。
イタリア・ソムリエ協会が主催する”オスカー・デル・ヴィーノ”で、イタリア全土の38万社のワイナリーの頂点に立つベスト3社に選出されている。
白い花やペトロ―ル香は控えめ。
冷涼な気候を感じさせる洗練された果実味、活き活きとした酸と、強いミネラル。
余韻は長い。
これは素晴らしくドライな上質のリースリングだ。
白ワインを合わせる料理は、自家製パストラミと旬の野菜のインサラータ、発酵トマトと石地みかんの2種のソース。
二種類目のパンは、フォカッチャ。
黒オリーブのフォカッチャとプレーンフォカッチャ。
ここのフォカッチャは美味い。
抜栓しておいた赤ワインを出してもらう。
今日はこれを飲むための訪問。
コルクの状態はよく、香りも素晴らしい。
とても良い濡れ具合。
ここはリストランテなので、ワインも基本的にイタリアン。
ここでわざわざフレンチのワインを飲む客は少ない。
そんな店のセラーの奥に良いブルゴーニュのバックヴィンテージが何故か一本眠っていたので、キープしてもらっていた。
飲んでいる間はパニエに入っていたので、最後の一杯を注いだ後にボトルを撮影。
ドメーヌ・ルイ・ジャド、ヴォルネイ、プルミエ・クリュ、サントノ、2009年。
2009年はブルゴーニュの偉大なヴィンテージ。
こんな素晴らしいワインがセラーの奥にあったことに感謝。
ルイ・ジャドは優秀なネゴシアン・エルブールであると共に、ブルゴーニュ各地に200haを超える畑を有する大ドメーヌ。
しかもコート・ドールに所有する畑のほとんどがグラン・クリュとプルミエ・クリュという素晴らしいドメーヌ。
このワインも、そんな畑の中の一つから生み出されている。
ストロベリー、フランボアーズなどの赤いベリー系の香り。
綺麗な果実味、活き活きとした酸は健在で、ミネラルとのバランスも良い。
あと味には仄かなスパイスや腐葉土、麝香のニュアンス。
まだまだ熟成のポテンシャルを感じる。
やはり2009VTのブルゴーニュのプルミエ・クリュは美味い。
プリモピアットが届く。
ブル・ピノを飲んでいるとここがイタリアンであることを忘れそうになるが、パスタでイタリアに引き戻される。
サルデーニャ産からすみのスパゲッティーニ。
イタヤ貝の貝柱がたっぷり。
貝の出汁とキノコのソースが良く合って美味い。
これは菊池シェフの得意料理。
セコンドピアットが届く。
ハンガリー産鴨胸肉のアロッスト、ポルト酒とバルサミコのソース。
ハンガリーは鴨の名産地。
日本に輸入されるフォアグラのほとんどはハンガリー産。
この鴨も旨みが凝縮されて美味い。
鴨のアロッストと上質のブルゴーニュのピノ・ノワール。
至福の時間だ。
彼女と過ごす、日本橋での素敵な午後は続きます。