3月のこと、『エスプリ・ド・タイユヴァン』でワインを買い、丸の内仲通りを散策して到着したのは、「東京ミッドタウン日比谷」。
今夜のお店は、カジュアル・フレンチの『ブヴェット』。
平日にもかかわらず、店の前には何時ものとおり入店待ちの長い列。
私はディナーの予約を入れているので、待つことなく入店。
”La Buvette”とは、劇場や駅や市場などにある気軽な酒場の意味。
でも日比谷の『ブヴェット』は気軽ではなく充分に高級な価格。
この写真はディジョンの中央市場の『ラ・ブヴェット』。
ボーヌで毎年開催されるブルゴーニュのワインの祭典、「栄光の三日間」を2018年に楽しんだ時に撮影したもの。
ディジョン中央市場訪問の記事はこちら。
エントランスで名前を告げ、テーブルに案内される。
驚いたことに、彼女が既に席に着いている。
「少し早めにオフィスを出ちゃった」と微笑む姿が可愛い。
まだ夕方早い時間なのに、店内は満席。
空いてるテーブルは、全て予約済。
壁には星条旗とジョージ・ワシントン&エイブラハム・リンカーン大統領。
ここはニューヨーク生まれのフレンチ・ビストロ。
2011年にニューヨークに誕生し、2013年にパリ店、2018年に東京店をオープンしている。
今夜は白ワインでスタート。
コート・デュ・ローヌのヴィニュロン・ド・ランクラーヴが造る、ガリゲット、セレクション・バリグール、ブラン。
色合いは驚くほど濃い。
ネクタリンやパイナップルの香り。
フレッシュな果実味を持つ、爽快なミディアムボディ。
ぶどうは、シャルドネ、グルナッシュ・ブラン、クレレット、ブールブーラン。
スパイスを効かせたキャロットラペと、赤キャベツのマリネ。
サラダリヨネーズ。
リヨン風サラダには玉子は必須。
濃厚な白ワインが美味しく、二杯目。
タルティネは、生ハムアッシェとラタトゥイユ。
生ハムアッシェのタルティネが生ハムの塩味が効いていて美味い。
ブランダード。
鱈とジャガイモを牛乳で煮込んだ、南フランスの郷土料理。
ブランダードも塩味が合って美味しく、ワインが進む。
でもタルティネと合わせてバゲットを三枚も食べると、そこそこお腹が満たされてしまう。
彼女越しに見る外は、陽が長くなったとはいえ、既に夕闇がせまりつつある。
白ワインは二人とも四杯ずつを飲み、ボトルを空けてしまった。
赤ワインは白と同じくコート・デュ・ローヌのヴィニュロン・ド・ランクラーヴが造る、ガリゲット、セレクション・バリグール、ルージュ。
黒果実の香りを持つ、フレッシュなミディアム・ボディ。
ぶどうはわからないが、恐らくシラーとグルナッシュなのではないかと思う。
蛤のマリニエールが届く。
マリニエールはブルターニュ地方の郷土料理で、漁師風という意味。
蛤は小振りだが、味は良い。
日比谷のフレンチ、『ブヴェット』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。