3月のこと、東銀座の『俺のグランテーブル』でちぃさんと過ごす楽しいディナーの続き。
サラダ、真鯛のカルパッチョを食べた後は、店長さんイチオシのパスタ。
溶岩のパスタ、ボルケーノの登場。
ドロドロに溶けたチーズの下には、極太麵のパスタとたっぷりのボロネーズソース。
二人に取り分けても驚きの量。
チーズと挽肉がたっぷり入っているので、かなりお腹に堪える。
でも美味しいのであっという間に完食。
飲んでいるワインは、イタリア、サルデーニャのサンタ・マリア・ラ・パルマが造る、アラゴスタ、ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ、2021年。
肉料理も本日のおすすめメニューから選んだ。
新潟県産イモ豚のロースト。
いも豚は千葉県のブランド豚だが、新潟県にもイモ豚というブランドがあるとは知らなかった。
薄っすらピンクが残る綺麗な焼き色。
旨味が詰まった柔らかな肉質が素晴らしい。
肉用のナイフはラギオール。
テーブルから見える位置にワインの冷蔵庫がある。
気軽なワインから、シャンパーニュや少し上級のワインなどが並んでいる。
1階に下りると、「俺のグランマーケット」をひとわたり見て歩く。
これから観劇でなければ買いたい食材や料理がいっぱいある。
三原橋交差点で晴海通りを渡り、向かい側の歌舞伎座に向かう。
歌舞伎座にはコロナによる行動制限が緩められてからは、結構な頻度で通っている。
今日は三月大歌舞伎。
朝、昼、夕と三部構成となっていて、今日観るのは17時45分開演の第三部。
三月大歌舞伎の第三部は人気の役者の共演だけあり、劇場内は満席。
開演を待つ熱気に包まれている。
緞帳は横山大観の作品、「霊峰飛鶴」。
歌舞伎座の新開場十周年を記念し、今月(三月)から掲飾された。
寄贈は永谷園、製作は川島織物。
第一部は、「花の御所始末」、第二部は「仮名手本忠臣蔵」と「身替座禅」、そして今回観る第三部は、「髑髏尼(どくろに)」と「廓文章(くるわぶんしょう)」。
坂東玉三郎と片岡愛之助の共演と言う豪華な演目。
でも、愛之助の出番はほとんど無く、玉三郎と福之助が中心。
玉三郎の舞台を久し振りに観たが、72歳(現在は73歳)とは思えない美しい演技だった。
中休みは35分、この間に夕食をとることもできるが、私達は食べてきているので歌舞伎座内を散策。
これから見る「廓文章」で愛之助が着るのと同じ舞台衣装が展示されている。
勘当され貧乏な生活をしていることを表す紙衣(かみこ:紙で出来た着物)姿の衣装なのだが、実際には絹で作られている。
歌舞伎座には多くの日本画が展示されており、見て歩くとちょっとした美術館巡り気分を味わうことができる。
これは前田青邨の「紅白梅図」。
再び席に戻り、開演を待つ。
先程は富士の緞帳だったが、今度は定式幕。
黒、萌黄、柿の三色で、緞帳が上下に昇降するのに対し、定式幕は左右に開閉する。
「廓文章」はまさに愛之助が主役で、玉三郎と雁治郎が上手く絡む。
愛之助がはまり役でとても楽しい一幕だった。
三月大歌舞伎では玉三郎と愛之助を観ることが出来て大満足。
(三月公演のあと、玉三郎さんは大舞台からの引退を表明。これが歌舞伎座で観る最後の玉三郎さんとなった。)
歌舞伎座を出ると、歩道上には観劇を終えた観客の熱気がまだまだ続いている。
歌舞伎稲荷大明神に見送られ、帰途に就く。
ちぃさんと過ごす、東銀座での楽しい夜でした。