今夜のディナーはお気に入りのフレンチで、ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ、六本木 | ワインは素敵な恋の道しるべ

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白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

2月のこと、お気に入りのフレンチで彼女と待ち合わせ。

 

乃木坂駅直結の通路を通り、「国立新美術館」に向かう。

 

「ルーブル美術館展 愛を描く」が3月1日から6月12日まで開催される予告。

(現在は既に終了しています。)

 

色々な場所にこのネズミが映し出され、手を振って迎えてくれる。

実際の色は紫なのだが、写真に撮ると白くなってしまう。

これは築地のはらさんの、”ねずみっけ”。

 

今夜のお店はこの上にある、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』。

 

エレベーターを三階で降り、この橋を渡り、店に向かう。

 

松尾支配人に迎えられ、席に案内される。

ディナー営業開始時間に入店したので、広い店内はまだ閑散としている。

しかし1時間後には多くの客でテーブルが埋まった。

美術館は既に閉館している時間なので、皆さんここでの食事を目的に来られた方たちだ。

 

私達の席は何時ものテーブル。

今も四人用のテーブルに、斜向かいに座るセッティング。

 

今夜はどんな料理とワインに出会えるか楽しみ。

 

彼女が到着し、ワインを選ぶ。

まずはシャンパーニュ。

ここのハウスシャンパーニュはドゥラモット、ブリュット。

でも入荷しない状態が続き、別のシャンパーニュをメインに据えるようにするとのこと。

一本は、リヨンの『ポール・ボキューズ』本店で2022年に採用された、マルグリット・ギュイヨ、ブリュット、キュヴェ・デジール。

瓶内熟成48ヶ月以上、ピノ・ムニエ100%のシャンパーニュ。

でも価格がかなり高い。

 

もう一本のシャンパーニュは、このボトル。

イヴ・ジャック、ラ・キュヴェ・セレクション、ブラン・ド・ブラン。

 

日本初入荷のシャンパーニュ。

ぶどうはシャルドネ100%。

マルグリット・ギュイヨは飲んだことがあるが、イヴ・ジャックは初めて。

まだリストの価格が決まっていないとのことだが、一足早く飲ませてもらうことにする。

 

抜栓され、シャンパーニュがグラスに注がれるこの瞬間が好きだ。

 

素晴らしい泡立ち。

柑橘系の爽やかな香り。

口当たりはキリリと引き締まった辛口。

その後に豊かな熟成感、ブリオッシュや炒ったナッツのニュアンスが現れる。

これは美味いシャンパーニュだ。

 

アントレは、フランス産鴨フォアグラのポワレとホワイトアスパラガス、ソース・ペリグーとオランデーズ・ソース。

 

フォアグラには黒トリュフのソース・ペリグー。

フランスで鳥インフルエンザ感染が拡大し、フォアグラの入荷が止まっているので、ここでもこれで在庫が尽きるとのこと。

もうフォアグラ料理が食べられないと思うと、一層美味しく感じる。

(2月初旬の話しです。)

 

ホワイトアスパラガスにはオランデーズ・ソース。

このホワイトアスパラガスはフランス産。

 

バゲットが届く。

 

お供は、カレー風味の鶏のリエット。

これが美味いのでパンが進んでしまう。

 

シャンパーニュを飲みながらも、新しい白ワインが入荷したとのことなので、グラスで飲むことに。

 

ドメーヌ・ド・ロアリー、ヴィレ・クレッセ、トラディション、2019年。

ヴィレ・クレッセは美味しいが、経験値が少ないので飲むのが楽しみ。

 

白い花と蜜の香りがふわりと漂う。

フレッシュながら濃密な果実味、中盤には重厚さを増し、後味には蜂蜜やブリオッシュ、バターのニュアンス。

強いボディの素晴らしい辛口。

ぶどう栽培はビオロジック、シャルドネの平均樹齢は55年と古く、まさにヴィエイユ・ヴィーニュ。

アルコール度数は14%もある。

 

ポワソンは、真鱈のムニエルと白子のポッシェ、ブール・ノワゼットとベアルネーズ・ソース、縮みほうれん草とベーコンのエチュベ、インカのめざめのロースト。

 

真鱈のムニエルに焦がしバターのブール・ノワゼットが良く合う。

 

鱈の白子も一緒に出されるとは、味に変化が付き面白い。

インカのめざめにはベアルネーズ・ソースを合わせると美味い。

 

ブール・ノワゼットと濃厚なヴィレ・クレッセの相性がとても良い。

彼女と過ごす、天空のフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』での楽しい夜は続きます。