新橋・日比谷界隈で、ちぃさんと過ごす楽しい夜の続き。
新橋のフレンチ、『スタンド・バイ・ミー』を出て〆の店を探しながら歩き、辿り着いたのは日比谷仲通り。
イルミネーションは美しいが、人通りがほとんど無いのが寂しい。
吸い込まれるように、「東京ミッドタウン日比谷」に入る。
アトリウムから上を見上げても、人はほとんどいない。
平日の夜、まだ時間はそれほど遅くないのだが、コロナによる行動制限は無くなっても、人々の生活様式は昔に戻っていないようだ。
向かったのは、日本酒のお店。
『三ぶん』はreinaさんに教えていただいたお店。
何時かここで偶然お会いするのではと思うが、未だその機会に恵まれていない。
コロナ前のこの時間は常に客でいっぱいだったが、今夜は先客は二人のみ。
そのお二人も私達の入店後、直ぐに帰られてしまった。
自動的に出てくるお粥。
さて、今夜は何を飲もうかと、ちぃさんと相談。
選んだのは、にごり酒を二種。
どちらも迫力のある”ど”のラベル。
ちぃさんの酒は、秋田県山本郡の山本酒造店が醸す、やまもと 純米 にごり ど。
白瀑で有名な酒蔵。
経営が苦しい時に、酒を早く現金化するために嫌がる杜氏を説き伏せ、商品化したにごり酒。
活性酒だったので多くの暴発事件を起こし、クレームの嵐に見舞われたが、今では改良を重ね、蔵の人気商品となっている。
実は私も昔、この酒を開栓しようとして暴発し、部屋の掃除に半日を要した苦い記憶がある。
使用米は非開示、精米歩合は65%。
私の酒は、奈良県御所市の千代酒造が醸す、篠峯 どぶろく 生酒。
これも活性酒。
使用米は赤磐雄町で、精米歩合は77%。
日本酒度-20とは驚き。
どちらも微発泡感が心地良い美味いにごり酒だ。
壁の黒板メニューから、酒の肴を選ぶ。
蕗と鱈子煮。
上品な出汁の旨み。
カウンター上の定番メニューからは、梅水晶(サメなんこつ)。
取り皿には、魚の浮彫。
良い器が揃っているのも、ここが好きな理由の一つ。
軽く一杯と思っていたが、やはり一杯では終わらない。
reinaさんに敬意を表し、栃木の酒を選ぶ。
私の酒は、栃木県大田原市の渡邊酒造が醸す、旭興 純米 生酛 磨き八割八分 無濾過生原酒。
使用米は栃木県農業試験場が開発した、とちぎ酒14。
精米歩合は88%と低精白。
那須に別荘と所属のゴルフコースがあったので大田原市近辺にはよく行っていたが、旭興は飲んだことがない。
初旭興が嬉しい。
ちぃさんの酒は、栃木県芳賀郡の惣誉酒造が醸す、惣誉 しぼりたて 純米生酒。
惣誉は私も何度も飲んだことがある。
麹米に兵庫県特A地区産山田錦を用い、掛米は非開示。
精米歩合は67%、使用酵母は協会7号。
この季節、生酒が美味い。
今夜は四種類とも生酒を飲むことが出来て幸せ。
『三ぶん』を出ると、飲食店以外のショップは既に閉店している。
日比谷アーケードにも通行人は少なく、皆さん帰宅を急いでいる様子。
ちぃさんと過ごす、新橋、日比谷の楽しい夜でした。