日本橋の『粋酔』で友人達と過ごす楽しい乙女座の会の続き。
今夜のメンバーは、すみれさん、茶目子さん、ひろきさん、そして私。
メンバーは全員乙女座生まれ。
九種類目と十種類目の酒を選ぶ。
九種類目の酒は、新潟県長岡市の久須美酒造が醸す、純米吟醸 夏子物語。
「夏子の酒」は全巻揃え愛読していたので、この酒があれば飲まない訳にはいかない。
すっきりした飲み口の美味い酒だ。
使用米は五百万石他の新潟県産米、精米歩合は55%。
十種類目の酒は、奈良県御所市の油長酒造が醸す、風の森 秋津穂 657 純米 無濾過無加水生酒。
風の森を代表する酒で、クリアーな飲み口が素晴らしい。
使用米は奈良県産の秋津穂。
657は、65%の精米歩合、協会7号酵母の使用を表している。
温物は、おでん盛り合わせ。
これも茶目子さんが取り分けてくれた。
十一種類目と十二種類目の酒が届く。
十一種類目は、熊本県熊本市の熊本県酒造研究所が醸す、香露 特別純米。
香露と言えば、近代日本酒醸造の第一人者、野白金一博士の所縁の蔵。
これぞ日本酒というバランスの良い純米酒。
冷酒で飲んだが、ぬる燗にするとより美味しいと思う。
使用米は非開示、精米歩合は58%、熊本酵母で醸されている。
十二種類目の酒は、福岡県三井郡のみいの寿が醸す、辛醸 美田 山廃純米 大辛口。
以前は井上合名だったが、2015年にみいの寿に社名変更している。
この蔵は、「スラムダンク」と繋がる酒、三井の寿で有名。
蔵がある大刀洗町には有名な三つの湧水があることから、醸す酒は三井の寿と名付けられた。
「スラムダンク」の作者、井上雄彦氏はこの酒の愛飲者だったことから、天才スリーポイントシューターに三井寿と名付けたのだそうだ。
そしてこの酒には三井寿の背番号14と湘北高校のユニフォームの図柄が使われている。
+14と”+”が付いているのは、この酒の日本酒度が+14であるためで、アルコール度数も14%なのだ。
(写真は、以前、丸の内の『ぬる燗佐藤』ですみれさん、茶目子さんと一緒に飲んだ時の物。)
使用米は山田錦、精米歩合は70%、日本酒度は+14という辛口。
〆の料理が届く。
秋刀魚の焼きおにぎり茶漬け。
コース料理はこれで終わりだが、まだ飲むためにアテをもう一品。
カンズリと酒盗のポテサラ。
十三種類目と十四種類目の酒を選ぶ。
十三種類目の酒は、茨城県石岡市の府中誉が醸す、渡船 五十五 純米吟醸。
ご一緒しているひろきさんは、”茨城県認定いばらき地酒ソムリエ”なので、茨城の酒を飲むことが出来て良かった。
フレッシュな米の旨みを感じる飲み飽きしない酒だ。
使用米は、茨城県産短稈渡船、精米歩合は55%。
十四種類目の酒は、奈良県宇陀市の久保本家酒造が醸す、生酛のどぶ。
生酛純米酒のもろみを粗漉ししただけの酒。
甘みが強いのかと思ったらキレの良い辛口で、日本酒度は+11。
使用米は阿波山田錦と日本晴れ、精米歩合は65%。
そして食欲が止まらない私は、〆の〆に蕎麦を注文。
鴨南蛮冷やし蕎麦。
今夜も食べ過ぎ飲み過ぎだが、日本酒好きが集まると本当に楽しい。
ほろ酔い加減で店を出ると、それぞれの路線で帰途に就く。
休日の夜の日本橋は、中央通りから道を一本入ると人気が無い。
中央通りに出て夜風で酔いを醒ましながら歩く。
来る時はまだ明るかったのであまり目立たなかったオブジェも、夜には彩りを増している。
このオブジェの名前は、”カラリ・ラッパ・オーケストラ”と言うのだそうだ。
「常盤橋タワー」の窓の明かりは既に消え、植え込みのイルミネーションだけが輝いている。
ここに来れば日本橋の麒麟像にお休みのご挨拶。
友人達と過ごす、日本橋の楽しい夜でした。