ちぃさんと過ごす、上野の国立西洋美術館で開催された「ピカソとその時代 - ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」の楽しい午後の続き。
第Ⅴ章は、”クレーの宇宙”。
パウル・クレーは好きな画家の一人。
34点もの作品が展示され、ベルクグリューンがピカソと共にクレーにも重きを置いていたことがわかる。
パウル・クレーは、京橋の「アーティゾン美術館」で彼の作品を詳しく鑑賞し、一層好きになった。
その時の記事はこちら。
パウル・クレー、「黄色い家の上に咲く天の花(選ばれた家)」(1917年) 水彩・グアッシュ、地塗りをした亜麻布、厚紙に貼り付け水彩による縁取り
第一次世界大戦中、クレーが兵役に服していた時の作品。
簡素な家から大きな植物が天に向かって力強く伸びている。
生命力や生きる希望を込めて描いたのだろうか。
この作品は、クレーが配属されていた航空学校の、破壊された航空機の翼に使われていた航空機用亜麻布に描かれている。
パウル・クレー、「青の風景」(1917年) 水彩・鉛筆・ペン・インク、地塗りをした紙、厚紙に貼り付け
パウル・クレー、「運命のファゴット・ソロ」(1918年) ペン・インク、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「塔の理念」(1918年) ペン・水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「カモたち」(1919年) 油彩転写素描・グアッシュ・水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「黒魔術師」(1920年) 油彩転写素描・水彩、チョークで地塗りをした紙、厚紙に貼り付け
パウル・クレー、「目覚める女性」(1920年) 水彩・グアッシュ、地塗りをした紙、厚紙に貼り付け
パウル・クレー、「イレーネが成長した時のための象形碑文(no.1)」(1920年) ペン・水彩、厚紙に貼った紙/紙の帯による上下の縁取り
パウル・クレー、「雄山羊」(1921年) 油彩転写素描・水彩、厚紙に貼った紙/金紙の帯による左右の縁取り
パウル・クレー、「暗い扉のある部屋の透視図法」(1921年) 油彩転写素描・鉛筆・水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「夢の都市」(1921年) 水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「知ること、沈黙すること、やり過ごすこと」(1921年) 油彩転写素描・水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「薬草を調合する魔女たち」(1922年) 油彩転写素描・水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「小さな城 黄・赤・茶色」(1922年) 油彩・水彩、厚紙に貼った紙/水彩による上下の縁取り
パウル・クレー、「緑の風景」(1922年) 油彩・水彩・ペン・インク、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「平面の建築」(1923年) 水彩・鉛筆、厚紙に貼った紙/水彩・ペンによる上下の縁取り/下辺に水彩・ペンによる第二の縁取り
パウル・クレー、「少女たちの光景」(1923年) 油彩転写素描・鉛筆・水彩、厚紙に貼った紙/水彩・ペンによる上下の縁取り/下辺に水彩・ペンによる第二の縁取り
パウル・クレー、「北の地」(1923年) 水彩、地塗りをした紙、厚紙に貼り付け/グアッシュ・ペンによる枠取り/下辺にグアッシュ・ペンによる縁取り
パウル・クレー、「中国の磁器」(1923年) 水彩・グアッシュ・ペン・インク、石膏ボード、合板の額
パウル・クレー、「朱色のアクセントのある方形の抽象的な色彩調和」(1924年) 油彩、黒石灰で地塗りした紙、厚紙に貼り付け/水彩・ペンによる枠取り
パウル・クレー、「口数の少ない倹約家」(1924年) 油彩転写素描・水彩、厚紙に貼った紙
クレーが教鞭をとっていた芸術学校、バウハウス時代の前期に描かれた作品で、自画像と思われる。
”Krg”、”Wrt”、”Sp.”の文字は、ドイツ語の”Karge(口数の少ない)”、”Worte(言葉)”、”Sparsamen(倹約家)”を表している。
パウル・クレー、「ジンジャー・ブレッドの絵」(1925年) 油彩・ペン・インク、凹凸のある壁紙
凹凸のある茶色い壁紙が貼られた、手工芸的な作品。
クリスマスの伝統菓子、ジンジャー・ブレッドの色合いだが、クレーは最初はこの作品を「植物の祭り」と名付けていた。
その名の通り、色々な植物が描かれ、ダイナミックな躍動感にあふれている。
パウル・クレー、「3掛ける3の十字」(1925年) 水彩・鉛筆・インク、カンヴァスに貼った紙/紙の帯による縁取り/オリジナル額
パウル・クレー、「朝食時の観察」(1925年) 水彩・グアッシュ、厚紙に貼った紙/水彩・ペンによる上下の縁取り
パウル・クレー、「港の船Ⅱc」(1925年) 油彩・水彩、木枠に釘付けした厚紙
パウル・クレー、「野蛮な-古典的-祝祭的」(1926年) ペン・水彩吹き付け、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「Gの一角」(1927年) 油彩転写素描・水彩、厚紙に貼った紙
パウル・クレー、「植物と窓のある静物」(1927年) 油彩、カンヴァス
パウル・クレー、「ネクロポリス」(1929年) 油彩、合板に貼ったムスリン布
パウル・クレー、「封印された女」(1930年) ペン・水彩、厚紙に貼った紙/厚紙の下辺にペン・水彩による縁取り
パウル・クレー、「モスクの入り口」(1931年) ペン・水彩、厚紙に貼った紙
新たな色彩表現の実験として、クレーは1931-1932年に点描画を盛んに描いている。
この絵では3,400を超える升目に色彩が施され、不思議な奥行き感がある。
パウル・クレー、「時間」(1933年) 水彩・ブラシ、石膏で地塗りをした層状のガーゼ、合板に貼り付け/裏面:水彩、石膏下地
パウル・クレー、「夜明けの詩」(1938年) 糊絵具、厚紙に貼った新聞紙
パウル・クレー、「子どもの遊び」(1939年) 糊絵具・水彩、厚紙
第Ⅴ章はこれで終了。
第Ⅵ章に続きます。