国立西洋美術館で開催された「ピカソとその時代 - ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」で、ちぃさんと過ごす楽しい午後の続き。
第Ⅵ章は、”マティス-安息と活力”。
ベルクグリューンはマティスを”現代フランスの最も偉大な画家”と称賛している。
彼のコレクションの中では、ピカソ、クレーに次ぐ重要性を与えられているのだそうだ。
アンリ・マティス「チェッカーをする二人の少年たち」(1911年) 木炭、紙
アンリ・マティス、「横たわる裸婦(ロレット)」(1917年) 木炭・鉛筆、紙
アンリ・マティス、「レースの襟のエマ」(1915年) モノタイプ、シン・アプリケ、紙 : 国立西洋美術館所蔵
ガラスが入っているので、どうしても私やスマホが写ってしまう。
アンリ・マティス、「室内、エトルタ」(1920年) 油彩、板に貼ったカンヴァス
1920年の夏にマティスが妻と娘を連れて訪れたノルマンディー地方の海辺の町エトルタで描かれた作品。
窓の外には海の景色。
マティスは窓は内部と外部をつなぐ重要なモティーフだと語り、しばしばこの構図の絵を描いている。
アンリ・マティス、「シルフィード」(1926年) 油彩、カンヴァス : 個人所蔵、京都国立近代美術館寄託
これは撮影禁止。
アンリ・マティス、「ニースのアトリエ」(1929年) 油彩、カンヴァス
アンリ・マティス、「青いポートフォリオ」(1945年) 油彩、カンヴァス
アンリ・マティス、「家に住まう沈黙」(1947年) 墨、紙
アンリ・マティス、「オパリンの花瓶」(1947年) 黒インク、紙
アンリ・マティス、「雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案」(1943年) 切り紙、カンヴァスに貼り付け
1930年代後半から、マティスは色紙をハサミで切り抜いて貼り付ける”切り紙絵”の手法を雑誌等の表紙図案に用いるようになる。
美術雑誌『ヴェルヴ』には、創刊号を含めて6点の表紙図案を提供している。
アンリ・マティス、「ドラゴン」(1943-44年) 切り紙
アンリ・マティス、「植物的要素」(1947年) 切り紙、カンヴァスに貼り付け
第Ⅶ章は、”空間の中の人物像-第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ”。
ジャコメッティの作品も好きなので嬉しい企画だ。
アンリ・マティス、「ロンドン、テート・ギャラリーの展覧会(1953年)のためのポスター図案」(1952年) 墨・切り紙、紙の支持体
1953年にロンドンのテート・ギャラリーで開催されたマティスの彫刻展のポスター図案。
下部の空白に文字情報が入る。
簡略化された人間の頭部は、観る者に多くの感情を喚起する不思議な力がある。
アンリ・マティス、「縄跳びをする青い裸婦」(1952年) 切り紙、紙の支持体
アルベルト・ジャコメッティ、「広場Ⅱ」(1948-49年) ブロンズ
アルベルト・ジャコメッティ、「ヴェネツィアの女Ⅳ」(1956年) ブロンズ
アルベルト・ジャコメッティ、「男」(1956年) 油彩、カンヴァス : 国立国際美術館所蔵
この絵を観てすぐに、モデルは矢内原伊作だとわかった。
何故なら、京橋の「アーティゾン美術館」にジャコメッティが描いた矢内原の同じ構図の絵があるからだ。
これがその絵。
アルベルト・ジャコメッティ、「矢内原」(1958年)。
矢内原伊作は実存主義哲学の研究者。
フランス国立科学研究センターの研究員としてパリに滞在していた時にジャコメッティと出会い、モデルを務めた。
その後もジャコメッティは日本に帰国した矢内原を四回もモデルとしてパリに招聘しているほど、矢内原を描くことに拘った。
凡人の私から見ればこの絵を描くのにわざわざ日本からモデルを呼ぶことは無いと思うのだが、描き、造ることにより、その存在の本質を追求するジャコメッティにとって、実存主義哲学の研究者である矢内原は欠くことのできない存在だったのだろう。
アルベルト・ジャコメッティ、「ヤナイハラⅠ」(1960-61年) ブロンズ : 国立国際美術館所蔵
これは矢内原伊作の彫像。
絵と全く同じ雰囲気だ。
パブロ・ピカソ、「鶴」(1952年) 着色されたブロンズ
パブロ・ピカソ、「本を読む女」(1953年) 油彩、板
パブロ・ピカソ、「アルジェの女たち(ヴァージョンL)」(1955年(2月9日)) 油彩、カンヴァス
これは重要な作品なので、解説をそのまま記載する。
「1954年11月のマティスの死は、ピカソに大きな衝撃を与えた。ふたりは長年互いに刺激を与え合う芸術上の盟友であった。ピカソはマティスがオダリスク(東方のハレムの女)の主題を好んで描いたことを受け、焼く一ヶ月後の12月、ドラクロワの「アルジェの女たち」に基づく連作に着手する。翌年2月までに制作された15点の内、この作品は12番目にあたる。」
中略。
「ピカソはこれ以降、ベラスケスやマネといった過去の巨匠たちの名作を自らの解釈によって描き直す連作に相次いで取り組んだ。」
パブロ・ピカソ、「海岸に横たわる裸婦」(1961年) 油彩・鉛筆、板
パブロ・ピカソ、「男と女」(1969年) 油彩・カンヴァス : 国立西洋美術館所蔵(梅原龍三郎氏より寄贈)
パブロ・ピカソ、「闘牛士と裸婦」(1970年) 油彩・カンヴァス
とうとう出口まで来てしまった。
今回も充実した内容だった。
ところで、これは余禄。
国立西洋美術館の常設展にもピカソの絵が展示されている。
パブロ・ピカソ、「横たわる女」(1960年)
5回にわたった”ピカソとその時代展”鑑賞記はこれで終了。
お腹も空いてきたので、予約しているイタリアンに向かうことにする。
ちぃさんと過ごす、上野の楽しい夕べは続きます。






























