10月のこと、ちぃさんと上野で待ち合わせ。
平日の午後だが、結構な人出。
暇な人が多いと思ったが、よく考えると、他の人には私達も暇人に見えているのだろう。
向かったのは、リニューアルオープンした国立西洋美術館。
今回鑑賞する企画展は、「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」。
ドイツ生まれの美術商、ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007年)が収集した絵画を収蔵する、ベルクグリューン美術館の所蔵作品97点に、日本の国立美術館の所蔵・寄託作品11点を加えた108点からなる企画展。
今回来日した97点の内76点が日本初公開という、観る価値の高い企画展だ。
この展覧会は嬉しいことに、数点を除き撮影可能。
ところで、パブロ・ピカソの本名はとても長く、まるで寿限無のようだ。
本名は、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ。
クラウス・ビーゼンバッハ/ベルリン国立新ナショナルギャラリー館長のメッセージ。
続いて、主催者のごあいさつ。
そして、ベルリン国立ベルクグリューン美術館の紹介。
序章では、ベルクグリューン所縁の作品二点が展示されている。
パブロ・ピカソ、「眠る男」(1942年) 墨、紙
ベルクグリューンが最初に購入したピカソの作品。
アンリ・マティス「パリ、ベルクグリューン画廊の展覧会(1953年)のためのポスター図案」(1952年) 切り紙、画用紙
ベルクグリューンは1952年2月にに最初の企画展、「パウル・クレーの版画展」を開催。
それ以降、マティス、ピカソの企画展を次々と開催。
ベルクグリューン画廊の企画展のカタログも展示されている。
このカタログ類はベルクグリューン美術館所蔵だと思っていたら、なんと国立西洋美術館研究資料センター所蔵だった。
第Ⅰ章は、”セザンヌ-近代芸術家たちの師”。
ピカソ、マティス、クレーにとって師の存在だった、セザンヌの絵画。
ベルクグリューンはセザンヌ、ゴッホ、スーラ等のポスト印象派の作品を所蔵していたが、晩年にコレクションを20世紀美術に特化するため売却。
セザンヌの作品だけは数点を残している。
ポール・セザンヌ、「セザンヌ夫人の肖像」(1985-86年頃) 油彩、カンヴァス
アルベルト・ジャコメッティ、左「セザンヌの模写-セザンヌ夫人の肖像」、右「レンブラントの模写-窓辺で描く自画像」(1956年) 鉛筆、紙 : 国立西洋美術館所蔵(皆川清彦氏より寄贈)
ポール・セザンヌ、「セザンヌ夫人の肖像」(1890年頃) 水彩、鉛筆、紙
ポール・セザンヌ、「庭師ヴァリエの肖像」(1906年頃) 水彩、鉛筆、紙
ポール・セザンヌ、「舟にて」(1900-1906年) 鉛筆、水彩、紙 : 国立西洋美術館所蔵
第Ⅱ章はいよいよピカソの登場。
ちぃさんと過ごす、「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」の楽しい鑑賞記は続きます。