日本橋のイタリアン、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
セコンド・ピアットは、阿蘇和牛のアロッスト、菜の花工房の味噌を使ったソース。
ソースはフォン・ド・ヴォーに味噌が加えられている。
阿蘇和牛の焼き色が食欲をそそる。
添えられた野菜のソテーの歯応えが良く美味い。
適度にサシが入った肉は、濃い赤ワインとの相性も素晴らしい。
飲んでいるワインは、ヴェネト州のマァジが造る、カンポフィオリン、2015年。
私達のテーブルは半個室の中。
メインダイニングとはサービスカウンターで仕切られているので他のテーブルからの視線が遮られ、寛いで食事をすることができる。
セコンド・ピアットを食べ終えると、ソムリエの大友さん(昨年12月から支配人に昇格)から素敵なプレゼント。
これは私が大好きな造り手のカルヴァドス。
ルモルトン、ヴュー・カルヴァドス・デュ・ドンフロンテ、1989年。
33年物とは素晴らしい。
カルヴァドスはリンゴのシードルと洋梨のポワレから造られるブランデー。
カルヴァドスの三つの生産地の内、ドンフロンテ地区は洋梨の比率が高い(30%以上)ことが特徴で、カルヴァドス全体の生産量の1%以下という貴重品。
その中でもルモルトンが造るカルヴァドスは洋梨が主体で、その比率は70%以上と高い。
濃厚で上品な香りと果実味。
熟成したルモルトンは最高品質のコニャックにも引けを取らない。
ルモルトンのカルヴァドスは最高のディジェスティフだ。
ドルチェが届く。
秋映えのストゥルーデル、ローリエのジェラートとカルヴァドスのソース。
ストゥルーデルはオーストリアや北イタリアのチロル地方の伝統菓子で、ドイツ語ではシュトゥルーデル。
リンゴ、レーズン、松の実をシナモンで香り付けしたフィリングを薄い生地で巻き、焼き上げたドルチェ。
タルトタタンが詰まったカンノーロのような菓子だ。
リンゴのドルチェに、リンゴから造られたカルヴァドスのソースとは洒落ている。
ローリエのジェラートの香りも良い。
デコレーションも可愛い。
リンゴのドルチェにリンゴのスピリッツが合わないはずがない。
食後はイタリアンローストのコーヒー。
何時もは厨房から出てこられない菊池シェフが挨拶に来てくれた。
菊池シェフの料理は創意工夫に富み、大好きだ。
大友ソムリエに見送られ、満腹満足で店をあとにする。
「今夜も美味しかった。ありがとう。お腹がいっぱいなので、少し歩きましょうよ」と彼女。
彼女と過ごす日本橋の夜は素敵に更けていきました。