日本橋のイタリアン、『代官山ASO チェレステ 日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
白ワインは、アルザスのトリンバック、ピノ・グリ、キュヴェ・パルティキュリエール、2017年。
トリンバックは1626年創業の、13代続く名門。
そのワインの評価は高く、フランスの三ツ星レストランのほとんどにオンリストされている。
グレープフルーツ、レモン、そして熟した洋梨の香り。
強い果実の熟成感、活き活きとしたミネラル、引き締まった酸、長い余韻、素晴らしいバランスのピノ・グリだ。
2017年は遅霜の被害に遭い収量は少なかったが、その後は天候に恵まれ、良いぶどうが収穫できた年だったそうだ。
アンティパストが届く。
やまとんファーム SPF豚バラ肉のコンフィ、阿蘇の森のトウモロコシのデクリネゾン。
白い泡は、胡椒のエスプーマ。
コンフィにされた豚バラ肉が香ばしく美味い。
やまとんファームは阿蘇にある養豚場。
SPF豚とは、特定(Specific)病原体(Pathogen)非保有(Free)の豚ということで、5つの特定病原体を持っていない健康な豚のこと。
トウモロコシのデクリネゾンは、豚の下に敷かれているのがトウモロコシのピューレ。
これが黒胡椒でソテーされた粒トウモロコシ。
そしてこれがトウモロコシのジュレ。
二種類目の白ワインも素晴らしいものが出された。
以前よく飲んでいた懐かしいボトル。
トレンティーノ・アルト・アディジェ州のコルテレンツィオが造る、ラフォア、シャルドネ、2020年。
高品質ワインの生産で有名なコルテレンツィオの最高峰のワイン。
樹齢の古い樹のぶどうのみを用い、栽培は有機栽培で低収量。
発酵はオークの小樽(バリック)で行い、熟成はシュール・リーで10ヶ月、瓶詰後6ヶ月以上の瓶熟を行いリリースされている。
熟したメロンやマンゴーの香り。
濃密な果実味を持ちながら、シャープで洗練されたボディ。
樽やスパイスのニュアンスも心地よく、酸とミネラルがボディを綺麗に引き締めている。
フランスのピノグリとイタリアのシャルドネの並行飲み。
普通は、ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)がイタリアでシャルドネがフランスなのだが、逆になっているのも面白い。
プリモ・ピアットは、山部さんのみやしみず米と赤牛サルシッチャのリゾット、秋トリュフとポーチドエッグ、マデラソース。
リゾットの上に振り掛けられているのは、パルミジャーノ。
たっぷりの黒トリュフの香りが素晴らしい。
イタリアのシャルドネとも良く合って美味い。
二種類目のパンが届く。
黒オリーブのフォカッチャと、プレーンフォカッチャ。
赤ワインも懐かしいものが出された。
ヴェネト州ヴェローナに本拠地を置くマァジが造る、カンポフィオリン、2015年。
若い頃、北イタリアを旅した時に、クレモナに住むイタリア人の友人に勧められて一緒に飲んだのがこのワインだった。
このワインの特徴は、リパッソ製法によって造られていること。
リパッソ製法とはダブルファーメンテーション(二重発酵)で、一次発酵後、その内の75%を約6週間陰干しにしたぶどうに注ぎ入れ、二次発酵させる製法。
カンポフィオリンはこうして造られたワインをオーク樽で18ヶ月以上、瓶内で3ヶ月熟成させている。
濃いルビー色。
熟したプルーンやブラックベリーの香り。
素晴らしい黒果実、スパイス、そしてレーズンのニュアンス、強いが円やかなタンニン、長い余韻。
久し振りに飲むカンポフィオリンはやはり美味い。
フルボディの白と赤の並行飲み。
彼女と過ごす日本橋のイタリアン、『代官山ASO チェレステ 日本橋』での素敵な夜は続きます。