9月のこと、彼女から「明日の夜、空いていませんか」と急なお誘い。
場所は丸の内指定なので、何時ものフレンチ・レストランを急いで予約。
丸の内地下道から「新丸ビル」に入館。
まだ退勤前でディナーには早過ぎる時間なので、一階のロビーに人の姿は少ない。
今夜のお店は、フランス国家最優秀職人賞(M.O.F.)の受賞に輝くエリック・トロション氏の東京店、『エリックス バイ エリック・トロション』。
入口には、何時も目を楽しませてくれる生花。
店の奥の窓からの眺めは、東京駅丸の内駅舎。
今日も外は雨。
今年、ここに6回ほど来ているが、内5回は雨か雪だった。
私の指定席は、カウンターの奥の席。
目の前にはフランスの銘醸ワインが並ぶセラー。
後ろの壁には、コート・ドールのグラン・クリュ街道の地図。
彼女が到着したので、シャンパーニュを注いでもらう。
今日は店長の大塚さんはお休み。
代わってソムリエの野口さんが対応してくれる。
抜栓したシャンパーニュは、ピエール・ド・ブリ、ブリュット、ブラン・ド・ノワール。
ピノ・ノワール100%で造られたシャンパーニュ。
彼女はブラン・ド・ノワールが好きなのだ。
造り手は、コート・デ・バール地区の生産協同組合、シャルル・コラン。
140以上の栽培者と330haを超える畑を傘下に持つ、この地区最大の協同組合。
畑はキンメリジャン土壌、栽培はリュット・レゾネ、ぶどうの平均樹齢は40年。
リザーヴワイン比率は20~25%、ドサージュは9g/L、瓶内熟成期間は最低36ヶ月と長い。
アミューズ・ブッシュは、グジェール。
中身は、フロマージュ味のフヌイユのクレーム。
第一のアントレは、柿、フォアグラ。
キャラメリゼしたフォアグラのテリーヌと柿のピューレの組み合わせとは面白い。
フォアグラのテリーヌの下には、生柿。
季節感のある料理だ。
バゲットも届く。
「よろしければお持ちください」と、カウンター上には可愛い団扇。
彼女と過ごす丸の内のフレンチ、『エリックス バイ エリック・トロション』での楽しい夜は続きます。