六本木の国立新美術館にあるフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
シャンパーニュ・ドゥラモット、ローヌのマルサンヌを飲んだ後は、ボルドーの赤。
シャトー・ラモット・ベルジュロン、クリュ・ブルジョワ、オー・メドック、2009年。
これは良い造り手の素晴らしいヴィンテージのワイン。
15世紀に起源を持つ歴史あるシャトーで、場所はマルゴーとサン・ジュリアンの間。
2020年にクリュ・ブルジョワ・シュペリュールに格上げされている。
カシス、プラム、ダークチェリーの香り。
熟した黒系果実の濃厚な果実味。
きめ細かなタンニン、そしてバラ、スミレ、スパイスのニュアンス。
余韻はとても長い。
セパージュは、メルロー52%、カベルネ・ソーヴィニヨン44%、カベルネ・フラン2%、プティ・ヴェルド2%。
熟成はフレンチオークの樽で12~18ヶ月、新樽比率は1/3。
ヴィアンドは、牛ヒレ肉のロースト、ジューソースとペリグーソース、季節の野菜とじゃがいものドフィノワと共に。
まさに肉塊というヴィジュアルのヒレ肉。
ソース・ペリグーの黒トリュフの香りが食欲を誘う。
素晴らしい焼き色。
じゃがいものドフィノワは別皿で届く。
これぞまさにリヨン料理。
これだけでお腹がいっぱいになってしまうが、美味しいので完食。
デセールは、福島県産白桃のコンポート、”ピーチ・メルバ”。
”ピーチ・メルバ”は、ロンドンのサヴォイ・ホテルの料理長、エスコフィエが、オーストラリアのオペラ歌手、ネリー・メルバのために作った桃のスイーツ。
”ピーチ・メルバ”の基本要素は、バニラ・アイスクリーム、桃のコンポート、ラズベリー・ソース、そしてアーモンド・スライス。
お腹はいっぱいでも、大好きな”ピーチ・メルバ”は別腹。
今夜の〆はコーヒー。
植田シェフの今夜の料理も素晴らしかった。
いっぱいになったお腹を濃いコーヒーが癒してくれる。
ゆっくり食事を楽しんだので、気が付くと最後の客となっていた。
松尾支配人に見送られ、店をあとにする。
美術館は既に閉館しているので、照明も落とされている。
まさにナイトミュージアム。
美術館のエントランスは既に閉まっている。
建物横の非常口から外に出る。
振り返ると、闇に包まれた黒川紀章作の美術館。
右手には六本木ヒルズ森タワー。
向かったのは、「東京ミッドタウン六本木」。
地下の「プレッセ プレミアム」で彼女と私の朝食用のサラダを何品か購入し、帰途に就く。
彼女と過ごす、国立新美術館の『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』での楽しい夜でした。