7月上旬のこと、大好きな星野シェフのフレンチ料理を味わいに、銀座に向かう。
マロニエ通りは木陰になっているので楽しく歩を進める。
マックス・マラのショーウインドウは好きだ。
今回はモノトーンではなく、落ち着いた色調。
展示が変わるたびに撮影してしまう。
「銀座マロニエゲート1」に着くと、レストランフロア―急行のエレベーターで10階に上る。
目的のお店は、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』。
何時もは開店時間に入店するのだが、今夜は彼女のフランス語のレッスン時間の関係で、15分ほど遅れての到着。
事前の竹内支配人とのメールでのやり取りによると、今夜は満席なのだそうだ。
エントランスで竹内支配人が迎えてくれ、席に案内される。
店内に入ると、何時もと雰囲気が違っている。
今日は西日が強いので、窓のシェードを下ろしているのだ。
こうして写真を見ると、コロナ以前に較べてテーブル数を大幅に減らしていることが良く分かる。
フロアでダンスを踊ることが出来るほどスペースが空いている。
彼女が到着すると席を立ち、椅子を引いて彼女の着席を助ける。
私が着席しようとすると竹内支配人が椅子を引いてくれ、思わず笑みがこぼれる。
さっそく冷えたスパークリングワインで乾いた喉を潤す。
ヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2018年。
1898年創業のクレマン専業メゾンで、クレマン・ド・ブルゴーニュの元祖と言える老舗。
最近、ヴィンテージが2017から2018に代わった。
綺麗な泡立ち。
ヴーヴ・アンバルのミレジムはガス圧も高く、果実味豊かで好きなクレマンだ。
テーブル上には何時ものセッティング。
この”ポール・ボキューズ”のロゴを見ると不思議と食欲が湧いてくる。
まさにパブロフの犬状態だ。
バゲットとバターが届く。
昨年からだっただろうか、バゲットが代わり、一層美味しくなった。
アントレは、真蛸のベニエと茄子のコンポート。
軽い衣をつけて揚げられた真蛸の歯応えが心地良い。
茄子のコンポートとは面白い。
軽い甘みを纏った茄子がバルサミコとも調和して真蛸のベニエを引き立てる。
添えられているのは、根セロリとレモンのピューレ。
赤いパプリカの粉末がアクセント。
このピューレ、パンにつけて食べると美味い。
あっという間にバゲットを食べてしまい、お代わりをもらう。
西日が陰りシェードが明けられると、室内が一挙に明るくなる。
今月のおすすめワインの説明。
飲んだ印象を残すため、香りと味(ボディと酸味)について記録できるようになっている。
ラングドックのジェラール・ベルトランが造る、レゼルヴ・スペシャル、ヴィオニエ、2019年。
ジェラール・ベルトランは1992年創業と若いワイナリーだが、今やラングドック・ルーション地方を代表する造り手で、14のドメーヌを所有。
内、ラングドック・ルーションの6つのドメーヌはビオディナミに転換。
残り8つもビオディナミへの転換を計画中。
ベルトランは元フランス代表のラグビー選手という経歴を持つ。
アルコール度数は13.5%と高い。
シトラスなどの白い花の豊かな香りに仄かな樽香。
濃厚な果実味、完熟した洋梨やパイナップル、そして蜂蜜、樽のニュアンス。
素晴らしいフルボディだ。
彼女と過ごす銀座の楽しい夜は続きます。