3月中旬のウォーキング。
樹の右上から天女が羽衣をたなびかせて舞い降りてきているようだ。
真っ赤なボケ(木瓜)の花が満開となった。
バラ科ボケ属の落葉低木で、原産地は中国。
でも英語名は”Japanese Quince”で、”Quince”はマルメロのこと。
白とピンクの花が咲いたボケ。
ボケには200を超える種類があるそうだ。
これは源平咲のボケ。
純白のボケも美しい。
ボケは秋に実を結ぶが、生食には向かず、果実酒やジャムに利用されるところはマルメロと同じ。
ボケの花言葉は、”先駆者”、”指導者”、”平凡”、”退屈”、”早熟”、”熱情”、”魅惑的な恋”、”妖精の輝き”。
ヒマラヤユキノシタの花も咲いた。
ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の常緑多年草で、ヒマラヤ山脈周辺(東アジア~中央アジア)の原産。
生長は早くないが、丈夫で手の掛からない植物だ。
花言葉は、”忍耐”、”秘めた感情”、”順応”。
水ぬるむ春、川の中を覗き込むと、大きな鯉が群れを成して集まっていた。
鯉の産卵期は4~7月。
まさに恋の季節の始まりだ。
久し振りに郊外にウォーキングに出た時に、野菜の無人販売所を見付けた。
ほうれん草が6把で50円。
大根が、小が30円、大が70円。
そして極太の長葱が四本で100円。
長葱とほうれん草を買い、バックパックに入れてウォーキングを継続。
別の日には玉子の無人販売所で、Lサイズの玉子が10個で120円。
この玉子はお買い得。
2パックを購入。
外で飲んで帰った夜、寝る前にもう少し飲みたくなった。
何時もならアイラモルトかカルヴァドスを取り出すところだが、今夜はハードリカーの気分ではない。
そこで取り出したのは、フォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)。
ポルトガルのイースト・インディア・マデイラ、ファイン・ドライ。
アルコール度数が19%なので、今夜の気分に丁度良い。
ボトルに描かれた帆船の絵を見て大航海時代に想いを馳せる。
大航海時代の17世紀、アメリカ新大陸に行くには赤道を越えなければならず、積み込んでいるワインが高温で腐敗してしまう。
そこで開発されたのが高アルコール濃度のスピリッツをワインに添加して作る、フォーティファイド・ワイン。
アルコール度数が高くなると、高温下の長期航海にも耐えられるのだ。
主要な酒精強化ワインは、スペインのシェリー、ポルトガルのポートワイン、マデイラワイン、イタリアのマルサラワインと海洋強国ばかり。
イギリスが抜けているが、イギリスはワインを生産しない代わりに、ポートワインの最大の輸入国であり、またマルサラワインをシチリアで最初に作り始めたのはイギリス人と言われている。
でも、オランダはどうしていたのだろう。
この点については調べてみる価値がありそうだ。
リキュールグラスは、ウイーンで買ったものでもベオグラードで買った物でもなく、塩尻ワイナリーフェスタの記念グラスを使うことにする。
2020年、2021年と連続して中止となったフェスタが今年は開催が決まったので、このグラスで乾杯したくなったのだ。
マデイラワインは、アルコール度数96%のグレープスピリッツを添加して作られる。
その最大の特徴は、酒精強化後に加熱処理されることで、このため独特のフレーバーを持ち、寿命も長い。
色合いは濃い琥珀色。
アンズのコンフィチュール、カラメル、バニラ、そしてシナモンのニュアンス。
甘さはあるが、酸味がしっかりあるので爽やかな飲み口。
生産者はヴィノス・ジュスティノ・エンリケで、使用ぶどうはティンタ・ネグラ・モーレ。
久し振りにフォーティファイド・ワインを楽しんだ、今夜のお家ワインでした。