西麻布のフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
今日は天気が良いので中庭の屋根のシートが開けられている。
左右のウイングは仕切って個室として使うこともできる。
今夜の私達のテーブルは、ダイニングルームの窓際。
テーブルには何時ものセッティング。
HとKのマークは、『ひらまつ』の創業者、平松ご夫妻の名前のイニシャル。
今夜はソムリエールの田中さんがお休み。
テーブル上には田中さんからの手書きのメッセージ。
こんな心遣いが嬉しい。
最初のグラスはシャンパーニュ。
『ひらまつ』の定番のシャンパーニュ、ドゥラモット、ブリュット、プール・ヒラマツ。
サロンの姉妹メゾンのドゥラモットが『ひらまつ』のために造るスペシャル・キュヴェ。
シャンパーニュのお供は、四万十うなぎ、あおさのり。
貴重な四万十うなぎをポートワインを使ってかば焼きにしている。
鰻が乗っているのは、あおさのりを入れて焼いた米粉のチップ。
アミューズ・ブーシュは、清水さば、葉大蒜。
土佐清水の鯖をマリネにし、葉大蒜を添え、トマトのエスプーマが掛けられている。
ソースを掻き分けると、中から鯖のマリネが顔を出す。
シャンパーニュの次は、ロワールの白。
アルフォンス・メロ、サンセール、エドモン、2010年。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門であり、フランスで最高評価を得ている造り手。
パイナップル、パッションフルーツの甘い香りに、熟成からくるエステル香が混じる。
口に含むと、熟成した濃厚な果実味と強いミネラルを持つ、素晴らしい辛口。
2010VTでありながら、まだまだ熟成のポテンシャルを感じる。
アントレは、フォアグラ、ゆずたま、ホワイトアスパラガス。
フランス産フォアグラはこんがりポワレ。
ゆずたまは、高知県南国市のヤマサキ農場が生み出した柚子の香りがする卵。
柚子の名産地、高知県馬路村の柚子の皮を餌に混ぜることにより、卵臭さが無くほのかに柚子の香りのする卵を生産している。
土佐ジローのコンソメが注ぎ込まれる。
土佐ジローは、高知県でのみ飼育されている希少な鶏。
肉も卵も濃厚な味わいが特徴。
フォアグラは外側はパリッと焼かれ、中はとろとろの濃厚な味わいが素晴らしい。
ホワイトアスパラガスは春の美味。
ゆずたまは本当に柚子の香りがする。
香るのは黄身ではなく、白身なのだそうだ。
もう一つは、トサジローのクネル。
白身魚のクネルはよく食べているが、鶏肉のクネルは初めて。
パンとバターも届く。
二種類目の白ワインは、大好きな造り手の物。
クローディ・ジョバール、リュリー、プルミエ・クリュ、レ・クルー、2015年。
クローディはブルゴーニュで注目の女流醸造家。
自らのドメーヌの運営の傍ら、ブルゴーニュの名門ネゴシアン、ルモワスネの醸造責任者も務める。
完熟した洋梨や桃、そしてバニラの香り。
口に含むと、濃厚な果実味と強い熟成感。
綺麗な酸と活き活きとしたミネラル、複層的なストラクチャー。
やはりクローディのプルミエ・クリュは素晴らしい。
ポワソンは、寒鰤、青豆、モリーユ茸。
高知県宿毛産の寒鰤のミキュイ。
ソースは、ブールブラン。
添えられているのは、スナップエンドウ、ソラマメ、モリーユ茸。
クローディ・ジョバールのプルミエ・クリュは美味しく、料理との相性も良いのでグラスが進む。
西麻布のフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。