六本木の国立新美術館のフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
仙台産スズキとほうれん草のパイ包み焼き、ソース・ショロン。
これはリヨンの『ポール・ボキューズ』のスペシャリティ。
本来はスズキを一尾丸々使い、パイで魚の形を造って提供される。
この写真は代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』のもの。
これはスズキの切り身を使い、一人前用に作られたパイ包み焼き。
パイをカットすると、中にはスズキの切り身。
ソース・ショロンが良く合って美味い。
久し振りに食べる名物料理が嬉しい。
合わせて飲んでいるのは、ボルドー、グラーヴのシャトー・ブロンデル・ブラン、2012年。
肉料理に合わせて飲む赤は、ブルゴーニュのピノ・ノワール。
ドメーヌ・ルイ・ジャド、ペルナン・ヴェルジュレス・ルージュ、プルミエ・クリュ、アン・カラドゥ、クロ・ド・ラ・クロワ・ド・ピエール、2015年。
ルイ・ジャドが単独保有(モノポール)する一級畑、アン・カラドゥの中の小区画、クロワ・ド・ピエールの畑のワイン。
聖ペテロの十字架とは素晴らしい名前だ。
濃い目のルビー色。
ベリー系の赤い果実の香り。
2015VTはGood yearだけあり、果実の凝縮感が素晴らしい。
スミレ、黒い土、錆びた鉄のニュアンス、そして綺麗な酸味とミネラル。
バランスの良い素敵なピノ・ノワールだ。
フランス産マグレのロースト、スパイスの香る赤ワインソース、季節の野菜とリヨン風マカロニグラタンと共に。
マグレ鴨はフォアグラを採取するために肥育された鴨。
身が大きく旨みが詰まっている。
カットした断面も赤みが残る素晴らしい火入れ。
シャラン産の鴨も美味いが、マグレ鴨も好きだ。
付け合わせの野菜もビタミンカラーが美しい。
別皿でマカロニグラタンが出されるところがリヨン風。
ここではペンネを使っているのだそうだ。
鴨料理と良く合い、ピノ・ノワールのグラスを重ねてしまう。
ゆっくり食事をしていたので、気が付くと他の客は既に帰り、広い店内に残る客は私達だけとなった。
こうなると、支配人の松尾さんも気兼ねなく私達のテーブルに付きっ切りとなり、色々お話しすることが出来るのが楽しい。
洋ナシのコンポート、ヴァニラ風味、キャラメルのアイスクリーム。
アイスクリームは洋ナシの後ろに隠れていた。
控えめな甘さのデセールがいっぱいになった胃を癒してくれる。
「食後酒をどうぞ」と、松尾さんが出してくれたのは、ポートワイン。
ロゼス、ポート、トゥニー。
ロゼスはフランスで人気のポートだ。
この夜はボトル写真を撮り忘れたので、この写真は以前『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』で飲んだ時に撮影したもの。
コーヒーで楽しかった夜を締めくくる。
松尾支配人に見送られ、店をあとにする。
美術館は既に閉館しているので、スタッフに案内され、非常口から外に出る。
”ガラスの茶室-光庵”が輝いている。
作者は、デザイナー/アーティストの吉岡徳仁氏。
振り向くと、黒川紀章氏設計のガラスの美術館が宵闇に浮かび上がる。
門を出て、「東京ミッドタウン六本木」に向かう。
地下に下ると、メトロに乗る前に少しお買い物。
彼女と過ごす、六本木、国立新美術館のフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』での楽しい夜でした。
余談だが、松尾支配人から庵野秀明展のコースターを三枚いただいた。
なぜ三枚かと言うと、コースターの裏の絵柄が三種類あるのだ。
これは使わずに取っておくことにしよう。