日本橋のリストランテ、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
次の料理に合わせ、三種類目のワインが出される。
ロワールのドメーヌ・ロッシュ・ヌーヴが造る、ソミュール、ランソリット、2012年。
オーナーのティエリー・ジェルマンはビオディナミで有名な造り手。
骨太で濃厚な果実味。
しっかりした酸とミネラルを持つため、過度に重くなく、バランスの良いヴォリューム感のある洗練されたワインに仕上がっている。
久し振りに飲むランソリットは美味い。
ぶどうはシュナン・ブラン100%で、シュール・リーで9ヶ月間熟成。
ソミュールでは珍しいシレックス土壌の畑であることから、Insolite=意外・異色の名が付けられている。
島鱧とさぬきの夢のラヴィオリのスープ仕立て。
伊吹いりこのタプナードを添えて。
スープが注ぎ込まれる。
菊池シェフは香川県に食材の探索に行かれたそうで、今夜の料理にふんだんに使われている。
島鱧は小豆島の名産品。
さぬきの夢は、讃岐うどんのために開発された香川県オリジナルの小麦品種。
タプナードに使われている香川県伊吹島のいりこは日本一と称されている。
香川県産の小麦粉に香川県産の鱧がぎっしりと詰まり、香川県産のタプナードソースで食べる料理はまた格別に美味い。
肉料理に合わせる赤ワインは、ボルドー右岸、フロンサックのシャトー・オー・バレ、2009年。
右岸ワインではサンテミリオンとポムロールが有名だが、価格が高くなり過ぎている。
その点フロンサックはまだ知名度が低いので、美味いワインをリーズナブルな価格で入手することが出来る。
黒果実の素晴らしい香り、濃厚な果実味、強いがシルキーなタンニン。
12年の熟成を経てまさに飲み頃を迎えたようだ。
ぶどうはメルロー100%。
オリーブ牛のアロッスト、季節の野菜を添えて、鶴醤のソース。
鶴醤(つるびしお)は小豆島のヤマロク醤油が木桶を用いて二度仕込みで長期熟成させて造るプレミアム醤油。
素晴らしい火入れ。
赤身肉は柔らかく旨みが凝縮されている。
ソースは二種。
鶴醤と赤ワインのソース。
ニンニクとクリームのソースには隠し味でホワイトチョコレートが加えられている。
色合いは不透明なまでの濃いガーネット。
ダウンライトにかざしてもほとんど像を結ばない。
「美味しい。シャトー・オー・バレは好きよ」と彼女。
以前飲んだ時は強すぎると言ったような気がするが、今夜は気に入ったようで良かった。
グリーンレモンとリコッタチーズのムース、ベルガモットと和三盆のジェラート。
グリーンレモンも和三盆も香川県産。
まさに秋の装いのドルチェ。
ムースの上にはジェラート、その上には乾燥させたグリーンレモン。
そしてムースの下には香川県産の日本酒のジュレ。
上から見ると、ミントの葉とエディブルフラワーのアクセント。
そしてよく見ると、こんなところにトンボが。
菊池シェフの遊び心がここにも生きている。
食後のコーヒーでいっぱいになった胃を癒す。
「やっぱりレストランでの食事は楽しいわ。今夜もありがとう」と彼女は満足した様子。
大友ソムリエに見送られ、満ち足りた思いでリストランテをあとにする。
今夜は日本橋を渡らずに、三越日本橋本店新館を出てすぐに西に向かう。
明るく輝いて見えるのは、三越本店。
日銀本店の前を通り、常盤橋を渡ると、「トウキョウ・トーチ・テラス」に出る。
夜空に常盤橋タワーが聳え立っている。
このまま歩を進め、大手町から帰途に就くことにする。
彼女と過ごす、日本橋の素敵な夜でした。





















