この日の夜は、彼女とリストランテでお食事。
場所は日本橋。
日本橋の街灯には既に灯りが点っている。
秋も深まり、陽が落ちるのが早くなった。
麒麟像にご挨拶。
今夜の目的のお店は、三越日本橋本店の新館の中。
最上階に、目的のリストランテがある。
禁酒法時代が長く続き、今年初めて訪問するのは、『代官山ASO チェレステ日本橋』。
今夜のテーブルは、この個室。
緊急事態宣言は解除されたとはいえ、やはり安全に食事をしたい。
菊池シェフの料理は大好きなので、今夜はどんなコースを準備してくれたのか楽しみだ。
ほどなく彼女が到着し、大友ソムリエから最初のワインを注いでもらう。
サロンの姉妹メゾン、ドゥラモットのシャンパーニュ、ブリュット、プール・ヒラマツ。
ドゥラモットが『ひらまつ』のために造るスペシャル・キュヴェ。
開けたてのドゥラモットの勢いのある泡立ちが素晴らしい。
セパージュは、シャルドネ50%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ20%。
大友さんは代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』のソムリエだが、今はここに応援で来られている。
度重なる緊急事態宣言発出で、『メゾン ポール・ボキューズ』の予約を今年は8回もキャンセルしている。
唯一行けたのは6月末だけなので、大友さんとお会いするのは三か月余りぶり。
アミューズが届く。
鶏肉でマッシュルームを巻いて焼きあげている。
使われている鶏は、岩手県二戸市の十文字チキンカンパニーの菜彩鶏。
菜彩鶏は、抗生物質を一切使わず、植物由来の飼料のみで飼育したブランド鶏。
ビーツのソースと良く合って美味い。
シェフお手製のバゲットと、秋田の比内鶏のパテ。
パリっと焼かれたバゲットの薄切りと濃厚なパテの組み合わせが旨い。
グアンチャーレのピッツァ風。
焼いたピッツァ生地にリコッタチーズのムースを塗り、豚ほほ肉の生ハムを乗せている。
パンも届く。
『リストランテASO』の系列のお店では、パンのお供はホイップバター。
シャンパーニュの次は、白ワイン。
ロワール、サンセールのアルフォンス・メロがコトー・シャリトワで造る、レ・ペニタン、コート・ド・ラ・シャリテ、2011年。
コトー・シャリトワはロワールのサンセールとブルゴーニュのシャブリの中間にある地区。
昔はワイン産地だったがフィロキセラ禍で壊滅し、今もA.O.C.の設定が無い。
この地の復活に取り組んで生まれたのが、このレ・ペニタン。
好きなワインで、レストランで飲んだ本数はとても多く、自分でも10数本購入している。
ぶどうはシャルドネ100%。
自家製パストラミとフォアグラのブリオッシュバーガー。
とても遊び心のある料理で見ているだけで楽しくなる。
ブリオッシュのバンズの間には、パストラミがたっぷり。
ソースは二種。
左は白味噌とチーズのソース。
右はマッシュルームのソース。
スライスした生マッシュルームもちりばめられている。
バンズとパストラミを外すと、その下には大きなフォアグラ。
このトロトロのフォアグラのヴィジュアルが素晴らしい。
パストラミとバンズを乗せ直し、大きくカットして口いっぱいに頬張る。
ブリオッシュとフォアグラは王道の組み合わせ。
そこにパストラミの香辛料と薫香が混ざり合い、この上なく美味い。
彼女と過ごす、日本橋の『代官山ASO チェレステ日本橋』での素敵な夜は続きます。