西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
シャンパーニュ、ドゥラモットの次は、ブルゴーニュのシャルドネ。
ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィスが造る、サン・ヴェラン、2018年。
ルー・ペール・エ・フィスはコート・ドールを代表する大手生産者。
サントーバンに本拠地を置き、1885年創業の名門。
マコネ地区のサン・ヴェランのシャルドネは骨太で力強いので好きだ。
このワインもストレートにシャルドネの果実味を感じ、豊かなミネラルを持つ素晴らしいボディ。
アミューズ・ブーシュは、ズワイガニの小さなラビオリ、プティ・ポワの軽やかなスープを注いで。
テーブル上で緑鮮やかなプティ・ポワのスープが注がれる。
春の色と香りが心地良い。
スープの底には、ラビオリ。
ラビオリを切り開くと、中にはズワイガニがぎっしり。
熱々のクッペが届く。
お供はバターとE.V.オリーブオイル。
アントレは、フランス産フォアグラのソテー、佐賀県産ホワイトアスパラガスのエチュベ、オランデーズソース、トリュフ風味。
ホワイトアスパラガスと菜の花とは、まさに春満開。
前菜とは思えない大きさのフォアグラが、ぷりぷり濃厚で美味い。
ホワイトアスパラガスにはオランデーズソース。
春にドイツに行くと、”ホワイトアスパラガス入荷”とお店に書き出され、メイン料理並みの扱いでテーブルに届けられたことを思い出す。
ルフトハンザ航空のファーストクラスでも、春には必ずホワイトアスパラガスのメニューがあった。
ホワイトアスパラガスには半熟卵も必須。
パカンと割り、一緒に食べると美味い。
続く白ワインは、素晴らしいものが出された。
ボルドー、ペサック・レオニャンのシャトー・ド・フューザル、2006年。
グラーヴにわずか16しかない格付けシャトーの一角を占め、名実ともにボルドーのトップ・シャトーのひとつとして知られている。
シャトー・ド・フューザル・ブランはとても評価が高いが、生産量が少ないので入手困難なワイン。
その14年熟成物に出会え、今夜は幸せ。
とても濃い黄金色。
フランスでは愛好家から”金の砂”と呼ばれているのだそうだ。
濃厚な熟した果実の香り、熟成から来るエステル香、口に含むと素晴らしい熟成感、ハチミツ、洋梨、パイナップルのニュアンス、そしてキリリと引き締まった辛口の余韻。
重厚で複層的なボディを持つ素晴らしいワインだ。
ぶどうは、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨン。
ポワソンは、平鱸のポワレ、おかざき農園フルーツトマトのロースト、香ばしいオニオンヌーヴォー、イカ墨のチュイル、ハーブ香るジュー・ド・コキヤージュ。
イカ墨のチュイルがとても美しく、彼女と「どうやって作るのだろうね」と感心する。
平鱸は外洋の磯に棲む大型魚で、とても美味な高級魚。
鱸ではなく平鱸を使うところが、流石、内木場シェフ。
料理が美味しいとワインが進み、ワインが美味しいと食事が進む。
今夜は料理もワインも一段と素晴らしい。
西麻布の『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。