2月16日から26日まで銀座の「シンワ・プリヴェ ギャラリー」で開催された”長坂真護 個展”、その感動を少しでもお伝えできればと、この記事をアップ。
2月26日には「KOMEHYO AOYAMA」の2Fに「MAGO GALLARY AOYAMA」がオープンし、長坂真護のアートを鑑賞することができる。
長坂真護の存在、そしてこの個展は、Yuka*りんさんに教えていただいた。
Yuka*りんさんの記事はこちら。
2月も押し詰まったある日の午後、用事を早く切り上げ、銀座に駆け付けた。
メゾンエルメスの花火師の騎馬像は今日も元気にエルメスの旗を掲げている。
目指した場所は、銀座メディカルビル。
一階には、シンワ・プリヴェ。
窓の中には、”MAGO展~蓋を開けたら結局同じ~”。
ここが”長坂真護 個展”の会場だ。
大きな自動ドアの中に入ると、左右には美しい生花。
第二の自動ドアを抜けると、目の前に大きなアート作品が現れる。
「スーパースターズ壁画 2019」 250 x 300cm
MAGOの教え子のスラム街の青少年たちが、MAGOの活動への感謝のためにバラックに描いたもの。
それをMAGOが買い取り、日本に展示している。
「スーパースターズプロジェクト」はMAGOの活動の一つ。
アーティストを志望するスラム街の青少年を指導し、その作品を先進国で販売し、代金を彼らに払うことにより製作継続を支援している。
レセプションで受付を済ませる。
レセプションの壁には、「STILL BLACK STAR」。
これはエミー賞受賞監督、カーン・コンウィザーによる長坂真護のドキュメンタリー映画の題名。
世界最大級の電子機器の墓場、ガーナのスラム街、アグボグブロシーで、「サスティナブル・キャピタリスム」を合言葉に、この地の貧困問題と環境問題をアートの力で解決するために活動する若き日本人アーティスト、それがMAGOこと長坂真護なのだ。
ここがガーナのスラム街、アグボグブロシー。
先進国で捨てられた電子機器が大量に不法投棄されている。
ここの住人はこの電子機器を燃やし、そこから希少金属を採取して生きている。
そして有毒ガスを大量に吸い、30代で癌で命を落とすと言われている。
MAGOはその現実を先進国に伝え、この電子機器のごみでアート作品を作り、それを先進国で販売し、その資金でアグボグブロシーの貧困と環境を改善することに取り組んでいる。
既に850個のガスマスクを届け、2018年にスラム街初の学校、「MAGO ART AND STUDY」を設立。
更に2019年にスラム街初の文化施設、「MAGO E-Waste Museum」を設立。
現在はごみの破砕機を導入し、廃プラペレットの生産による再資源化を推進しようとしている。
ギャラリーの中に歩を進める。
「MOON TOWER 2020」 H270cm
まず目を惹くのが、この球体のオブジェ。
2019年夏に現地の人々と力を合わせて製作した平和の象徴、ムーン・タワー。
この「月」は現地で拾い集めたペットボトルで作られている。
このムーン・タワーにはMAGOの平和への想いが込められている。
「真実の湖Ⅲ 2020」 120 x 120cm
代表作の一つ。
今はごみの上のスラム街と化したアグボグブロシーは、元はラグーンだった。
ごみの中の湖面に映るスラム街の少女が描かれている。
この作品のインパクトは大きい。
「アグボグブロシーに棲む野牛 2019」 130 x 194cm
2019年9月、新宿での公開製作の作品。
スラム街の現実と、富み肥えた日本社会とのギャップに感じた憤りが牛の背景に書き綴られている。
「長坂真護 個展」の訪問記は続きます。