10月上旬のこと、久し振りに南仏の星付きレストランの東京店を訪問することに。
丸ビルのショーウインドーは冬の装い。
気温が急に下がり雨も降っているので、私も今年初めてトレンチコートを着た。
一階のマルキューヴでは、物産販売が行われている。
どこの物産かと思ったら、北海道だった。
日本でのワールドカップラグビー開催を記念して作られたマイケル・リーチの像は物産展の裏に隠れて見えなくなっている。
この像は丸の内仲通りに置かれていたが、今は丸ビル内に収容されている。
これが丸の内仲通りに置かれていた時のマイケル・リーチ像。
35階でエレベーターホールを出ると、左手には『マンゴツリー東京』。
以前は毎月のように通っていた、タイ料理の名店だ。
バンコクに行く時はここの支配人にお願いして、『マンゴツリー』本店の予約を取ってもらっていた。
でも経営が変わり、最近は訪れることもなくなった。
そして右手には、今夜のレストラン、『サンス・エ・サヴール』。
フランス、モンペリエにある、20年以上ミシュランの星を維持し続けるレストラン、『ル・ジャルダン・デ・サンス』の東京店だ。
赤い壁に浮かび上がる顔は、『ル・ジャルダン・デ・サンス』のオーナー・シェフ、ジャック&ローラン・プルセル兄弟。
まだ開店数分前なので、展望スペースで眺望を楽しむことにする。
窓の外は雨。
皇居は闇に覆われている。
お台場のレインボーブリッジも霞んで良く見えない。
開店時間三分前にはレストランのドアが開き、入店。
入り口はもうハロウィン仕様。
レセプションで傘とコートを預けていると、彼女が颯爽と現れる。
広いダイニング・ルームはテーブルが半分に減らされ、全く別のお店に見える。
テーブルの数は半分とはいえ、今夜も満席とのこと。
私達のテーブルは店の一番奥、バーカウンターに近い何時もの場所。
ここは飲み物をすぐに出してもらえるし、眺めも良いので好きなテーブルなのだ。
ここがバーカウンター。
この奥にはバーラウンジがあり、右手にはプライベートルームが並ぶ。
私達が席に着くと、すぐにキャンドルに火が灯される。
「長くご迷惑をお掛けしたお詫びのシャンパーニュです」と、横山さん。
お店からのサービスでドゥラモット・ブリュットが注がれる。
実は私の予約が営業自粛で二度キャンセルとなり、今夜は久し振りの訪問。
コロナの影響で丸ビル自体が休業してしまったのだからお店の責任ではないのに、嬉しいサービス。
サロンの姉妹メゾン、ドゥラモットのシャンパーニュは美味い。
久し振りに見る『サンス・エ・サヴール』の名入り飾り皿。
お店の場所がモンペリエなので、地中海に昇る太陽を表現しているのだろうか。
今夜のワインはペアリング。
ドゥラモットのあとは、前菜への本来のペアリング・ワイン、ヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ミレジム、ロゼ、2016年が出される。
季節を楽しむ一口アミューズが届く。
まだ青い紅葉の葉が二枚添えられている。
このアミューズとクレマン・ロゼは秋を感じさせる楽しい組み合わせ。
クレマンを勢いよくどんどん飲んでしまう。
豚頬肉のクロケット。
シェーブルのパンナコッタ。
栗と玉ねぎとは面白い組み合わせ。
中をくりぬいた小玉ネギに栗が詰められ、上にかかっているのも栗のパウダー。
二人で勢いよく飲んでいると、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ロゼをほとんど一本飲み干してしまった。
彼女と過ごす、『サンス・エ・サヴール』での素敵な夜は続きます。