九平次マリアージュの会、横浜ローズホテル 2 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

「横浜ローズホテル」で開催された”九平次マリアージュの会”に友人達と参加した楽しい一日の続き。

ご一緒したのは、しづちゃん、mayuさん。

 

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萬乗醸造15代目当主、久野九平治氏による、”醸し人九平次”と”ドメーヌ・クヘイジ”に関する熱き想いのプレゼンテーションが始まる。

九平治さんとは、会が始まる前に名刺を交換し、色々お話しさせていただいた。

 

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discoverは、カバーを取り外す(dis)ことだと学んだことから全ては始まったのだそうだ。

 

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2006年からフランスでの日本酒の啓蒙活動を開始し、逆に大きな学びを得る。

ワイン文化が根付いたフランスでは、ワイン造りは土作り、ぶどう栽培から始まる。

それに対し日本酒では農家が栽培した米を買い、酒を醸していたことを後ろめたく思ったのだそうだ。

そこで2010年に兵庫県の山田錦の本場、黒田庄で自家栽培を開始。

2014年には雄町の本場、岡山県の赤磐で自家栽培を開始。

画像は、名シェフ、ヤニック・アレノが黒田庄の田んぼを訪れ、土をチェックしているところ。

 

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次は一枚(一反=300坪)の田からどれだけの日本酒が造られるのかの講義。

精米歩合35%だと、たった315本しか造れないのだそうだ。

35%は特別な酒なので、大吟醸の50%だと450本、吟醸の60%だと540本。

いずれにせよ、思ったよりも随分少ない。

九平治さんは何も言及しなかったが、良い造りの酒はそれなりのお値段がするということだ。

 

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今までは黒田庄の米を名古屋に運んで醸していたが、”ドメーヌ”を完成させるため、黒田庄に醸造所、ドメーヌ・黒田庄を今年完工させたのだそうだ。

そしてフランスでは、2015年にブルゴーニュ、モレ・サン・ドニの醸造所を取得し、2017年にはぶどう畑も取得してワインの醸造を開始。

さらにフランス南部のカマルグで米の委託栽培も開始し、マノビという品種のフランス米を名古屋で醸している。

 

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九平治さんは想いがどんどん迸り出て話が尽きないが、皆さんお腹も空いたので、横浜君嶋屋の君嶋社長がプレゼンテーションを締め、食事が運ばれる。

 

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最初の料理は『重慶飯店』から、四喜拼盤。

四種前菜の盛り合わせ。

 

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合わせるワインは、ドメーヌ・クヘイジ・ブラン、ブルゴーニュ・アリゴテ、2017年。

 

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ドメーヌ・クヘイジは2016年に購入ぶどうで初醸造を少量しているが、自社畑のぶどうと購入ぶどうで本格的に醸造を開始したのは2017年。

2017年がドメーヌのファースト・ヴィンテージとなる。

 

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仄かな樽香、果実味は控え目ながらレモンやグレープフルーツのニュアンス、活き活きとした酸を持ち、ミネラルとのバランスも良い。

自社畑のぶどうは樹齢の高い樹も多く、収量を抑えて栽培されている。

料理を引き立てる、爽快な飲み口だ。

 

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私がドメーヌ・クヘイジを訪問したのは、一昨年の11月。

ボーヌで開催されるワインの祭典、”栄光の三日間”に行った時に、ドメーヌの責任者の伊藤さんにお願いし、ドメーヌ内やグラン・クリュ街道を案内していただいた。

 

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その時に、2017年、2018年のワインの大部分を試飲させてもらった。

そのワイン達が二年の熟成期間を経てどのように成長しているか楽しみにしていた。

 

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今日の料理を担当した二人のシェフによるメニューの説明。

今日のメニューは、「横浜ローズホテル」のフレンチ、『ブラスリー ミリーラ・フォーレ』と『重慶飯店』のコラボ。

 

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蟹とアボカドのフォンダン、トマトとラディッシュのティアン仕立て。

 

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フランスのシェフたちによると、日本酒は甲殻類やキャビアに良く合うのだそうだ。

この料理は日本酒に合わせ、とても淡い味付けに仕上げられている。

 

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合わせる酒は、久野九平治本店 テロワール黒田庄町田高、2018年。

これは単独では販売されず、ドメーヌ・クヘイジのワインとのセット販売のみの酒。

 

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精米歩合、使用酵母は非公開。

黒田庄で栽培された山田錦100%で醸されている。

テロワール黒田庄田高と命名されているところをみると、これは今年から稼働を開始するDomaine Kurodashoのプロトタイプなのではないかと思う。

 

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微発泡、濃厚な米の旨み。

果実香は控え目。

綺麗な酸味を持ち、後味は切れが良く軽い苦みを持つ。

抜栓されて出されたので確認は出来なかったが、コルク栓が使われている。

情報は非公開なのでわからないが、アルコール度数は16%あり、純米大吟醸の原酒なのではないかと思う。

 

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紅焼豆腐、まるごと椎茸とタケノコ入り厚揚げの醤油煮込み。

 

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豆腐と椎茸に加え、豚肉も入っている。

見た目以上に上品な味付けだ。

 

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合わせる酒は、ドメーヌ・クヘイジ、コトー・ブルギニヨン、ルージュ、2017年。

 

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コトー・ブルギニヨンはブルゴーニュ全域のぶどうをセパージュも含めて自由に使える規格で、気軽に楽しむことが出来るワイン。

 

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色合いは淡いルビー色。

香りには、レッドチェリーやフランボワーズの赤い果実と酸のヒント。

 

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グラスはリーデルの大きなブルゴーニュグラス。

これは私も持っている。

口に含むと最初に強い酸味、そして赤果実の豊かな果実味が続き、最後にタンニンが現れる。

ポテンシャルのあるぶどうを使っているので、もう少し寝かせた方がバランスが落ち着くのではと思う。

ぶどうはガメイとピノ・ノワール。

「横浜ローズホテル」で開催された楽しい”九平次マリアージュの会”は続きます。