代官山のフレンチの名店、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
シャンパーニュの次は、アルザスのトリンバック。
『ポール・ボキューズ』では前菜にフォアグラが出ることが多いので、このワインもフォアグラに合わせたゲヴェルツトラミネールだと思った。
ところが、トリンバック、ピノ・グリ、キュヴェ・パルティキュリエール、2016年。
熟成感のある果実味を持つが、酸があるので爽やかな飲み口。
ソムリエの大友さんによると、彼女が甘いワインは苦手なので、普通はゲヴェルツトラミネールを合わせるところをピノ・グリに代えてくれたとのこと。
フランス産鴨フォアグラのポワレ、ソース・ベルジュ。
日本に輸入されているフォアグラの大部分はハンガリー産。
高価なフランス産を使っているところが嬉しい。
フォアグラの下には、トウモロコシのパンケーキ。
フォアグラの脂を吸って美味い。
ソース・ベルジュは、未熟な青ぶどうを使って作る酸味のあるソース。
日本では未熟な青ぶどうが手に入りにくいので、酸味を加えるために青りんごも使われている。
丁寧に下処理されたフォアグラの断面が美しい。
フォアグラとパンケーキの厚みがぴったり同じというのも面白い。
爽やかなピノ・グリも良く合い、既に三杯目。
続いて出されたワインに、彼女は大喜び。
ロワール、サンセールのアルフォンス・メロが造る、サンセール・ブラン、エドモン、2010年。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門で、フランスの評価誌でも最高評価を受けるドメーヌ。
柑橘系の香り、豊かな果実味と熟成感、綺麗な酸と強いミネラル。
アルフォンス・メロのソーヴィニヨン・ブランは本当に美味い。
先日は六本木の『オーベルジュ・ド・リル トーキョー』でメロのラ・ドモワゼルを飲んだばかりだ。
あと、19代目が造る、ジェネラシオン・ディズヌフ(19代)も素晴らしい。
天然真鯛のポワレ、香味野菜のジュリエンヌ、サフランの香り豊かなマリニエール。
モンサンミシェル産のムール貝が添えられている。
ジュリエンヌは千切り野菜をスープに浮かべたもの。
マリニエールはブルターニュ地方の魚介料理で、いわゆる”漁師風”。
真鯛とムール貝に良く合って美味い。
エドモンも美味しいので、確か三杯目。
トリンバックのピノ・グリ(左)とアルフォンス・メロのエドモン(右)の飲み較べも楽しい。
赤ワインは、オー・メドックのシャトー・ドーリヤック、クリュ・ブルジョワ、2009年。
2009年のボルドーも美味い。
このワインを飲むのは久し振り。
ボルドー左岸らしい強くて洗練されたワインだ。
色合いは濃いガーネット。
カシス、プラム、ブラックチェリーなどの黒果実の濃厚な果実味。
そのあとに、黒胡椒や黒い土、そしてダークチョコレート、スミレのニュアンスも。
強いタンニンは円やかに果実味の中に溶け込んでいる。
しっかりしたディスク。
見ているだけで果実味とタンニンの強さがわかる気がする。
濃厚な色合いだが濁ってはいないので、ダウンライトにかざすと綺麗な像を結ぶ。
グラスの壁面に現れるワインの涙を見ると、アルコール度数と粘性の高さがわかる。
セパージュは、メルロー49%、カベルネ・ソーヴィニヨン46%、カベルネ・フラン2.5%、プティ・ヴェルド2.5%。
フレンチオークの樽(新樽比率25%)で12ヶ月間熟成されている。
肉料理に合わせ、新たにパンが届く。
そしてエシレ・ドゥーも新しい皿が出される。
バター皿にも”メゾン”の名前。
可愛い皿だ。
代官山のフレンチの名店、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。