先日の事、六本木の国立新美術館にある『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』で誕生日が近い友人と合同でお誕生会をすることに。
何時ものとおり、乃木坂駅から直結地下道を通って国立新美術館に行こうとすると、なんと閉鎖。
そこで一旦外に出て、ぐるっと回って西門から入ることにする。
六本木から来るときは正門を利用するので、黒川紀章設計のこのユニークな建築物をこの角度から見るのは初めて。
西側は東側に較べ、一層丸みを帯びている。
正面エントランス前で茶目子さんと合流。
美術館としてはもうすぐ閉館の時間なので、門でもエントランスでも警備員に「どちらに行かれますか」と呼び止められ、「ポール・ボキューズです」と答えて通してもらう。
『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』はこの上。
三階でエレベーターを降りると、店に繋がるブリッジに向かう。
入り口には、ポール・ボキューズさんの写真。
私が料理に興味を持つようになったきっかけは、若い時に彼の著書を読んだことだった。
まだ時間が早いので、私達の他に客は居ない。
天井も壁も無く開け放たれた空間。
そして隣のテーブルとは3m以上の間隔。
三密とは縁のないお店だ。
茶目子さんと私の誕生日は6日違い。
さっそく泡で乾杯。
定番のヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ミレジム、2016年。
冷えたクレマンが五臓六腑に染み渡る。
ヴーヴ・アンバルはクレマン・ド・ブルゴーニュの元祖ともいえる、クレマン専業のメゾン。
ヴーヴ・アンバルのミレジムは本当に美味い。
茶目子さんと二人なのだが、私の向かいには誰も居ない。
感染予防として、四人用のテーブルに斜向かいに座っているのだ。
バゲットが届く。
フランスで作られた生地を冷凍で輸入し、ここで焼き上げている。
皮はパリッと中はしっとりで美味い。
バゲットのお供は、カレー風味の鶏のリエット。
これが美味しくてパンが進む。
栗かぼちゃのスープと野菜のベニエ。
スープは冷製。
この器が本当に可愛い。
これを見ると、イギリスのクレイアニメ、「ウォレスとグルミット」を思い出す。
この形でウォレスの頭を連想するのだ。
実際のウォレスの写真を見るとあまり似ていない。
でも、この器を見ると何故か必ずウォレスを思い出すのだ。
中に浮かべられたクリームを溶かし込んで飲む。
クリーミーで栗かぼちゃの自然な甘みがとても美味い。
野菜のベニエは衣がサクサクで、中の野菜はジューシー。
野菜は、レンコン、ナス、マイタケ。
ボルドー、グラーヴの、シャトー・サン・ロベール、キュヴェ・ポンセ・ドゥヴィル・ブラン、2012年。
ハーブや青りんごの香り。
濃厚な果実味とキレのある酸とミネラル。
複層的でリッチなボディの好みの白だ。
バリックを用い、9~10ヶ月間シュールリーで熟成されている。
セパージュは、ソーヴィニヨン・ブラン80%、セミヨン20%。
鰆のロースト、ローズマリーの香るソース・ヴァンブラン、小松菜とベーコンのブレゼ。
肉厚の鰆にソース・ヴァンブランが良く合い、ローズマリーの香りも心地良い。
六本木の国立新美術館にある、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』で茶目子さんと過ごす誕生お祝いのディナーの夜は続きます。