今夜は久し振りに訪問するフレンチ・レストランで彼女と待ち合わせ。
お店の場所は、並木通りとマロニエ通りの角。
『アルジェント』はZOE銀座の8階と9階を占めている。
8階でエレベーターを下りると、そこはもう『アルジェント』。
レセプションでスタッフに迎えられると、「お連れ様はこちらでお待ちです」とウェイティングラウンジに案内される。
驚いたことに、彼女がもう到着していた。
奥の壁の向こうには、個室が並ぶ。
スタッフに案内され、内階段で9階のメインダイニングに向かう。
メインダイニングの入り口ではリーデルのグラスが迎えてくれる。
窓際のテーブルには二人用のセッティング。
今夜のスタートはシャンパーニュ。
ドゥラモット、ブリュット、プール・ヒラマツ。
サロンの姉妹メゾン、ドゥラモットが『ひらまつ』のために造るスペシャル・キュヴェ。
グレープフルーツや青りんごの香り、口に含めば豊かな果実味と活き活きとした酸、そして後味にはブリオッシュや炒ったナッツのニュアンス。
やはりドゥラモットは美味い。
セパージュは、シャルドネ50%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ20%。
テーブルには美しいボトルと花器が置かれている。
ボトルの中身はグラッパ。
ここは以前は『リストランテASO』系列のイタリアンだった。
プティサレは、蛸とモッツアレラのベニエ、サフランソース。
まるでたこ焼きのようなヴィジュアルに驚いていると、鈴木シェフが厨房から挨拶に来てくれ、今夜の料理について説明してくれた。
「今年は夏祭りも全て中止となったので、お祭りの出店の楽しさをイメージしてみました」とのこと。
中には蛸も入っているが、味は立派なフレンチ。
モンサンミッシェル・ムール貝のナージュ。
ナージュはたっぷりのソースの中で具材を泳がせる料理。
夜店のボール掬いをイメージしたのだそうだ。
和風出汁のジュレの中で泳いでいるのは、モンサンミッシェル産のムール貝と夏の野菜たち。
紅芯大根、黄大根、緑大根、茗荷、オクラ、トマト、カボス、そしてミントの葉。
イカスミとブラックオリーブのフォカッチャが届く。
フォカッチャのお供にはガラスのカバーが掛けられ、中には煙が。
カバーを取ると、薫香が広がる。
ヨーグルトと発酵バターで作られたホイップバター。
軽い酸味がフォカッチャに合って美味い。
今夜の白は、ちょっと良いワイン。
ルイ・ジャド、シャサーニュ・モンラッシェ、プルミエ・クリュ、アベイ・ド・モルジョ、2009年。
ルイ・ジャドは今更言うまでもないが、1859年設立の名門で、ネゴシアンであると同時にブルゴーニュ全域に210haの畑を有する大ドメーヌでもある。
しかも保有畑の大部分がグラン・クリュとプルミエ・クリュ。
ルイ・ジャドのワインは好みでよく飲んでいるが、アベイ・ド・モルジョを飲むのは初めて。
シトラス系の香り、口に含むと素晴らしい果実の凝縮感とミネラル感、そして割と強い樽のニュアンス。
バターを感じる濃厚な熟成感もあるが、ボディはまだ若々しく、更なる熟成のポテンシャルを感じる。
彼女もこのワインには満足の様子。
銀座のフレンチ、『アルジェント』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。



















