緊急事態宣言前のこと、彼女と恵比寿駅で待ち合わせ。
駒沢通りのお店を色々覗きながら、旧山手通りに向かう。
向かったお店は代官山の邸宅イタリアン、『リストランテASO』。
旧山手通りに面した建物は、『カフェ・ミケランジェロ』。
エントランスを入って店内を奥に通り抜けると、『リストランテASO』に行くことが出来る。
『カフェ・ミケランジェロ』は代官山で人気のカフェで何時も賑わっているが、コロナ感染が拡大する中、店内はガラガラ。
『リストランテASO』のレセプションで篠﨑支配人に迎えられ、今夜のテーブルに案内される。
私達の席はサロンの中央のマントルピースの前のメインテーブル。
「今夜も一番良いテーブルなのね」と彼女は嬉しそう。
マントルピースの前には、今夜の主役、バローネ・ピッツィーニのフランチャコルタ、アニマンテの3リットルボトル。
シャンパーニュの呼び方だと、ジェロボアム。
そう、今夜は”アニマンテ・ナイト”。
毎年この時期に世界で同日に開催される、バローネ・ピッツィーニのフランチャコルタのお祭りなのだ。
でも今年は主催国のイタリア、特にフランチャコルタの故郷、ロンバルディア州が大変なことになっているので中止となり、日本の単独開催となってしまった。
バローネ・ピッツィーニは1870年創業の名門。
ジュリオ・ピッツィーニ男爵が高齢のため1992年にワイナリーを譲ったのは、ミシュラン二つ星の『アンティカ・オステリア・デル・ポンテ』の元スター・シェフ、シルヴァーノ・ブレッシャニーニ氏。
新しいオーナーの元で、有機栽培でフランチャコルタを造った最初のワイナリーとなった。
アニマンテは、バローネ・ピッツィーニのスタンダード・キュヴェ。
今夜のフランチャコルタ達が勢揃いしている。
左側のサテン、2015年はブラン・ド・ブラン。
右側は上級クラスのノンドサージュのナトゥーラエ、2015年。
ロゼ、2015年。
最上級のバニャドーレ、リゼルヴァ、2012年。
良いぶどうが収穫された年にのみ造られる最良のキュヴェ。
今夜は14人だけの特別の会。
たっぷりのフランチャコルタが用意されているとのことなので、今夜は酔ってしまいそうだ。
この飾り皿を見ると、『ASO』に来たことを感じることが出来る。
最初のフランチャコルタ、アニマンテが注がれる。
これは普通サイズのボトル、ブテイユ。
アニマンテは、今夜の会の名前にも使われているバローネ・ピッツィーニを代表するスタンダード・キュヴェのフランチャコルタ。
アニマンテとは、”元気付ける”、”活気に満ちる”という意味。
素晴らしい泡立ち。
瓶内二次発酵で造られ、ガス圧は5~6気圧と高い。
熟した果実のニュアンスをしっかり持ちながら、豊かなミネラル感のあるキリリと引き締まったブリュット。
どれだけ飲んでも飲み飽きない素晴らしいフランチャコルタだ。
セパージュは、シャルドネ78%、ピノ・ネロ18%、ピノ・ビアンコ4%。
リザーヴワイン比率は20%で、ステンレスタンクで6ヶ月、瓶内で20~30ヶ月熟成されている。
グジェール。
チーズの香りが食欲を誘う。
アミューズ・ブーシュは、マルケのおばあちゃんのオリーブの詰め物。
添えられているのは、桜鱒のマリネ。
サワークリームの上にのっているのは、桜鱒の卵。
オリーブのフライを半分に切ると、中には挽肉が詰まっている。
これはマルケ州の定番の前菜。
お店のイタリア人スタッフのお婆様がマルケ州から来日した時に、直々に教えていただいた料理なのだそうだ。
彼女と過ごす代官山のイタリアン、『リストランテASO』で開催された”アニマンテ・ナイト”の素敵な夜は続きます。