外出自粛要請前の三月のこと、久し振りに北千住にお出かけ。
日の入りが日毎に遅くなり、夕方の待ち合わせでもまだ明るさが残る。
北千住飲みと言っても、今夜はこの飲み屋が軒を連ねる通りではない。
今夜の場所はこの駅前通りの先。
ちぃさんと合流すると、ちぃさんが予約してくれたお店へと向かう。
そこは北千住の鮨の名店、『千住 しげ』。
アメブロのグルメブロガーさんの記事にもよく登場するお店。
”しげ”は、店のオーナーの大道成雄(おおみち しげお)さんのお名前。
開店時間より少し早く到着したが、暖かく迎え入れてくれる。
寒い日ではあったが、まずは生ビールで乾杯。
アサヒの、プレミアム生ビール 熟撰。
生ビールに良く合うお通し。
出汁と鰹節の香りが素晴らしい。
目の前では大道さんが山葵をすりおろしている。
必要な量をその都度すりおろすので、フレッシュな香りを楽しむことが出来る。
真鯛。
ねっとりとした旨味とこりっとした歯応えが共存する逸品。
平貝を捌かれている姿が凛として美しい。
使われている柳葉に目が行く。
柄の造形が凝っている。
大道さんによると、有名な作り手の最後の作品で、柄には象牙が使われているとのこと。
お高いのでしょうねと聞くと、想像以上に高価で驚く。
生ビールを飲み干すと、ちぃさんは知多のハイボール。
私は日本酒。
山形県高畠町の米鶴酒造が醸す、米鶴 爽快辛口 純米生酒。
名前通りきりりと引き締まった辛口だが、生酒の旨みもしっかり持っている。
使用米は、山形県産のはえぬきと出羽の里で、精米歩合は65%、酵母はきょうかい701号。
この厚みが素晴らしい。
平貝は旨味が凝縮されている。
メジマグロ。
大トロと赤身の炙り。
大トロには山葵、赤身の炙りには紅葉おろし。
雲丹と白子のTKG。
ふわっと焼かれた白子の下には、赤と白の二種の雲丹で和えたご飯。
これは最高に美味しく贅沢なTKGだ。
あん肝と牡蠣の味噌漬け。
どちらも濃厚で美味い。
愛媛県内子町の酒六酒造が醸す、京ひな 純米大吟醸 一刀両断。
愛媛の酒では、石鎚や梅錦を飲むことが多いが、京ひなは初めて。
一刀両断というだけあって、切れ味の良い辛口。
山田錦を用い、精米歩合は50%。
出された酒器は、能作。
錫100%で造られた酒器は保温性保冷性に優れ、飲み口が柔らかく酒が旨くなる。
これは錫に金箔を貼った逸品。
太刀魚の焼き物。
ふわっと柔らかな食感が素晴らしい。
茶碗蒸しが届く。
中には、蛤、毛蟹、菜の花。
フレンチやイタリアンに行くことが多いが、やはり和食も素晴らしい。
ちぃさんと過ごす『千住 しげ』での美味しい夜は続きます。